１）の結果

　スリーブアンテナは大変不安定なアンテナで、手元で使うのは駄目ですね。一度は苦労して作ってみたのですが、しっかりしたディップ点が得られず失敗。

２）の結果

　430MHZ用のコリニア欄にも書いたのですが、1/4λの二か所の位相調整部を繋いだアンテナは、スタブを設けて調整しても上手く行きませんでした。結局、間に1/2λの同軸を入れて上手く行きましたが、アンテナの長さが1.6mにもなってしまい、これだと歩きながらの運用はできそうにない。

３）の結果

　マイクロバートは、手元にチョークコイルが必要です。が、このアンテナに関するネット記事では、50MHZまでしか載っていない。また、144MHZで使えそうなバランで検索してみても、良いトロイダルコアがない！　いつものHF用のものでも実験してみたのですが、SWR=2.5程度で薄いディップする程度で実用性がない感じでした。

４）の結果

　普通に造るダイポールは、水平ダイポールなら物凄く簡単にでき、性能もばっちり。

　でも、それを垂直に設置すると、給電線と下側エレメントが近づいてしまい、SWRが跳ね上がる。（この対策が上手く行かないのが、垂直DPの難点です）

　給電部分との間にシュペルトップも形成して遣ってみたのですが、それでも駄目。バランも駄目。下側エレメントを水平に設置してグランドプレーン型にすると、これはバッチシですが、歩きながらの運用は無理。結局この案はダメでした。

　市販のモービル用で、上部エレメントのみで形成されていて車の屋根のGNDを当てにするタイプがありますが、歩行移動用ではなく・・・。

５）について

　４）まで遣ってダメだったので、ネットでノンラジアルで探したら、以下の記事を見つけました。SMAコネクタ仕様で、結構細かい工作が必要ですが、実用できそうです。

https://www.fbnews.jp/201702/myproject/index.html

　が、ここまで考えて、結局、ザックに取り付けるなら普通のダイポールでも良いし、エレメントから出てくる給電線も垂直に近く出すことができそうだ、と考え、写真にあるような軽量ダイポールを作ってみました。（バランもシュペルトップも入れてませんが、これでちゃんと動きます）　

（仕様）

１）1.5D2Vを給電線に使い、エレメントは2.5D2Vの芯線を使用。

２）樹脂の筒で保護を掛けている。真ん中部分はφ8、周辺はφ６。

　　（たまたま手元にあったため。長さはそれぞれ33cmと36cm2本）

３）145MHZで合わせたら、エレメント長さは左右とも（上下とも）45.5cmでした。

　　裸線なら49cm程度で合うと思いますが、電線の周囲にあるポリエチレンの影響で

　　若干短い線で同調します。

４）アンテナ長さは92cmとなっており、ザックに紐で括り付けておいて移動が

　　可能です。重さ100g程度でした。バンド内でSWR=1.2程度です。

　　（水平に設置しても動きますが、144は垂直偏波での運用だとか・・・）