[Result]
18Mhz=110 (SSB only)
21Mhz=301 (SSB=202,CW=99)
24Mhz= 53 (SSB=41,CW=12)
28Mhz= 5 (SSB only)
[RIG] TS-480HX (My rig)
[Antenna] Spider beam for 14/18/21/24/28Mhz , 5 bands
[QTH] Numea Grid:RG37fr
※JA=92%
[出発の経緯]
8月にVK9Lから帰った後、11月後半の行く先を探しておりました。私の情報入手先はインターネットかCQ誌で、CQ誌のニューカレドニアでの運用記事に気が付き、筆者であるJE2EHP/堤さんにメールしたところ、今は日本-フランスの相互運用協定がニューカレドニアにも適用され、JA免許での運用が可能な旨の情報をいただきました。また、現地での運用については、FK8KA(クラブ局)会長のサムさんが力になってくれるので、相談してみたらどうか、という旨のお話もいただきました。その言に力を得て、今回のニューカレドニア行きが決まりました。
いつもなら旅は、自分で航空券予約/ホテル予約をして出かけるのですが、今回は旅行会社(STW)主催のツアーに参加することにしました。7万円代のツアーがあり、これは個人手配より安いです。ですが、残念ながらこれは二人で行った時の一人のお値段。私の場合は一人での催行だし、急遽頼んだら高い部屋しか空いていなく、実際は思った以上にお金が掛かりました。
[到着まで]
予定通り、11/20 お昼のエアーカラン(Aircalin)便で、ニューカレドニアに出発しました。写真は、お洒落なデザインのSB0801便です。成田からトントゥータ国際空港までは8時間15分ほど、帰りは真夜中1:15分発、所要時間=8時間55分でした。
トントゥータ国際空港からホテルのあるヌメアまでは、バスで一時間ほど。ホテルはヌメアの東の海岸べりの「アンスバタ・ビーチ地区」に集中しており、ヒルトン、メリディアン、カサ・デル・ソル、ル・サーフなどが有名です。日本の旅行会社数社が、これらのホテルに泊まるツアーを募集していますが、トントゥータ空港からホテルへの送迎や、現地でのオプショナルツアー参加等々は、現地のSPT(サウス・パシフィック・ツアーズ)社が、纏めて行っていました。空港とは大変綺麗な大型バスで行き来ができ、至れり尽くせりの感がありました。(写真はヒルトンです)
[利用ホテルについて]
左の写真は私が宿泊したル・サーフホテルです。写真左側に見えているのがエントランスですが、この棟とは別にもう一棟、海側に建物があり、今回はそちらに泊まることになりました。部屋はオーシャンビューで、少し古い作りでしたが、宿泊に問題はありませんでした。
夜中の遅い到着でしたが、旅行会社の方がすべて手配してくれており、問題なく宿泊できました。
海側から見たル・サーフです。写真右手の建物の4階(この建物は5階建てです)に泊まりました。フロントの係の人は皆、親切で、滞在中はいろいろと助けていただきました。
「ここで無線をして良いか?」と、聞いたらOKが出ましたが、実際はホテルでの運用は難しいかと思います。
移動での無線運用の場合、以下が必要かと思います。
①思った周波数のアンテナが張れること。できればJAを考慮して北向きの部屋が良い。また、高層が良い。
②周りに迷惑を与えないこと。角部屋か、離れたコテージのような部屋がベターで、周囲の部屋のテレビ等にインターフェアーを与えない。また、音についても対策が必要です。
SSBは基本的に音が煩いし、運用するとしても、静かな運用が出来るCWかPSK31になると思われますが、アンテナと言っても、部屋での運用の場合は、3m位の長さのワイヤーアンテナ+オートチューナ程度になるかと思います。熱心に交渉すれば、お庭にアンテナを立てることも可能かもしれませんが、ここは基本的にリゾートで、ホテルの傍にはカジノもあり、しっかりしたアンテナ設備での運用は無理かと思いました。ちなみに、部屋に置いてあったテレビは一昔前の地上波によるもので、インターフェア=0にするのは少し無理かな? と、思います。(テレビはすべてフランス語で話してました)
以上から、今回はホテルでは運用しないことに決め、FK8KAのシャック(アンテナ)からのみ運用することにしました。
[FK8KA CLUB局]
ヌメア市内から3,4Kほど離れた丘の中腹にあって、5バンド対応のスパイダービームが上がっています。写真のような感じです。ここは常に西からの貿易風が吹いて、風が強いときが多いので、待機時は常に10mの高さにしているとのこと。条件が良いときはもう少し上げられるとのことでした。
ちなみに今回は、クラブ会長のサムさんに非常にお世話になり、ホテルからの移動や食事のための買い物など、様々な局面で助けていただきました。(サムさんには、心より感謝しております。彼は大変親切で、気さくな方です)
なお、私の行った時点ではローバンドのアンテナは無かったのですが、11月最終週のWWCQのCWコンテストに向け、写真手前の砂利の敷いてある場所の真ん中に、バーチカルを建設するとのことでした。
写真は、FK8KAのお部屋の中のテーブルの様子です。机上に私のリグが並んでいます。(TS-480HXは、操作部と本体が離れている。光っているのが周波数表示部)
ログは例によって手書きでした。SSBの時はそれでも何とか遣れるのですが、CWは上手く行きません。時間も書かねばならないので、凄く手古摺りました。
このシャックは、ニューカレドニアのハムへのQSLカード転送にも使われており、壁の棚に、数十局宛の枠が作られていて、昔ながらの配送をしている感じでした。(写真、撮り忘れ)
[運用状況]
21日は午後(JST13時頃)からワッチを開始したのですが、どのバンドもほとんど信号が無く、或いは弱くて、交信は十数局に留まりました。22日は朝(JST)8時頃から運用し始めたのですが、24Mhz以外は難しい感じで、その24MHZも9時過ぎには信号が薄くなり、午前中はほとんどシャックで寝ていました。
総じて昼間は駄目で、JST13時以降から開ける感じです。18/21MHZともにそのような感じでした。
22日午後は21MHZSSB、23日午後は18MHZSSBで運用したのですが、24日は午前中、大変厳しい状況で、SSBで声を掛けても応答が無い感じだったので、24MHZでゆっくり目のCWで出ている局の方を選んで応答しました。ヘタッピイなCWに対応していただき、感謝です。ところが、その交信までは上手く行ったのですが、困ったことに、その後、沢山の局から呼ばれることになってしまいました・・・。
私が海外に行くときに持って行っている電鍵は、「どこでもパドル MINI ウッド」というJA9BSLさん制作の超小型の電鍵です。マイクロSW2個で動作するもので、主に、アンテナのマッチング調整に使っています。ですが、今回は何と、これでCW交信を試みてしまいました。(9M6では、オーナーさんのBENCHERを借りました)
そもそもの状況として、私のCW能力は大変低く、
①コンテスト時のような限定的定型的なワードしか覚えていない
②WPM22以上は把握できない
③打鍵が下手で、Jが1になったりQを間違ったり、ミスが多発する。
④まだ、聞いた符号をペンで紙に書いて把握している段階で、CU AGNとかも、その状態。
⑤ログが手書きなので、交信が終わったら、時間とRSTレポートとコールサインを、ノートに記載しないといけない。
そのような訳で、お相手の方の迷惑を考え、極力CWはやっていないのです。
今回も恐る恐るのスタートで、WPM16で打ち、のろのろ遣っているうちは何とかペンも追いついていたのですが、そのうちに事情をご存じでない方からのかなり早いコールが並び始め、一時期は、本当にどうしようかと思いました。
1交信が終わると私が何処かに消えてしまうので、??の信号が送られて来てしまいますし、何度かコールを打っても返答が無い時間が長いために、変だなあ、と思われた方が多かったのでは、と、思います。
ところが、それでもそうやって苦労しているうちに、少しずつ聞き流しができるようになり、13時を過ぎたら21MHZの方がベターと思って、そちらに移り、また、ゆっくり目を始めました。ところが別の問題が発生です。
私はサイドトーンを聞きながら自分の符号を打っています(そのサイドトーンが頼りです)。相手が1局の場合は、受信信号が静かなので何とかなるのですが、複数の局から呼ばれているようなときは、自分の打つ信号のサイドトーンと受信信号が重なってしまい、正確に打てているかが分からないのです。これには大層困りました。
以上のような背景での交信でしたので、交信していただいた各局には、大変ご迷惑を掛けてしまったかと思います。本当に申し訳なく思っております。信号受信時の把握レベルの向上、送信時の正確な打鍵は、今後の私の大きな課題とさせていただきたいと考えております。
[風が強い]
私が滞在した週末は、実は海岸からすぐの海でウインドサーフィンの国際大会が開かれており、ホテルの窓からもその様子を見ることが出来ました。その移動速度の速いこと! 写真ではその様子は分りませんが、あんなに速いとは知りませんでした。
ニューカレドニアは常に西から貿易風が吹き、特にこの大会期間は風が強く、サーフィンには絶好! アマチュア無線用アンテナには大敵!
実際、私の着く前にアンテナが壊れてしまい、サムさんは、修理に追われていたそうです。
[FK8DD 移動運用地]=サムさんが運用されている場所
23日は朝方、サムさんがよく運用される場所(丘の上)に連れて行ってもらいました。写真は、其処からの風景です。丘の真ん中に政府の建物がありますが、360度の視野が望め、特に、朝方のWは素晴らしいそうです。この日も、PSK31での運用を見せてもらいました。バッテリーでの運用のため40Wでの運用だそうですが、28MHZで、すぐにWやJAともつながり、その通信方式の優秀さも確認できました。
写真は、サムさんと彼の車、それに移動用のアンテナです。MFJ製の5バンドホイップだそうです。ロッドアンテナ方式ですが、風のコンディションの良いときは、YAGIも上げることがあるとのことでした。
[TS-480HXの怪・・・]
今回、パソコン用12V30Aの電源2個を、初めて海外=220Vで使いました。TS-480HXにはだいたい13.8Vが供給されていると思うのですが、テスターを置いて行ったので、その辺は確かではありません。(JD1では、13.8Vで設定していた=無論入力は100Vで)
で、何が怪かと言いますと、以下のような現象が出たのです。
①送信を終わって受信に入り、少しすると、VFOの読みが勝手に下がる!
どんな感じかといいますと、21.240.00という表示が、21.239.99・・・21.239.98・・・21.239.97という風にじわじわ下がって行き、大体400hzくらい、勝手に変動します。無論、音も変わり、送信周波数もその周波数に変わります。
②ですが、送信している間は、200w時でも100W時でも、その現象は無くなり、じっと良い子で周波数固定します。
③いつもそうなるのかというと、そういう訳ではなく、「まれ」になります。で、その「まれ」が、なるときは連続してその時間帯でなり続け、大丈夫のときは、ずっと大丈夫です(3時間でも、大丈夫なときは大丈夫です)。
VFOはデジタルのPLLの設定ツマミかと今までは思っていたのですが、そうではないようですね。でも、受信中だけ変わって行くのは理由が分りません。電源変動なら、送信中の方がはるかに変動がありそうです。手元の試験では、この電源は無負荷で13.8vに設定していても、200w送信時は12.4V位まで下がるので・・・。
何が原因か分からないので嫌な感じですが、ニューカレドニアの電源は、変動がかなり有るのは有るらしいです。ちなみに、気持ちの問題かもしれないけれど、スピーカの音量下げたら、止まっていた気もします。まずは、メーカーさんにに聞いてみますかね?(無論、海外での運用は、保障の限りではないことは存じておりますが)
実際、お話している最中に周波数が変わると、ツマミをいじらなくてはいけなくて大変です。その昔、高校のクラブでFR-50Bを使ってコンテストに出ていたとき、偉い勢いで周波数がずれてゆき、非常に大変だったのを思い出してしまいました。ちなみに、21MhzでCWしていたときは大丈夫でした。あの状況で周波数変動すると、とても交信どころではなかったように思います。
[余談]
ニューカレドニアは物価が高いです。フランスと同じように、お店は午前中3時間程度、午後3時間程度開くのみで、昼間も夜も、仲の良い仲間でおしゃべりするのを楽しみにしている文化のようで、レストランがそこらじゅうにあります。一方、コンビニは有りません。ショッピングセンターが二か所、ガソリンスタンド兼業で、24時間、サンドイッチなど売っていますが、それも数件。それにまた、そのレストランが高いのです。
前菜1,800フラン、メインディッシュ2,000フラン、デザート1,800フランという感じで、一回の食事代は、5,000フランかそれ以上の感じです。日本円でいうと7,000円くらいから、と、なります。また、ガソリンスタンド付属のお店などでサンドイッチ+飲み物を買うと、1,500円程度します。日本の3倍くらいが相場のようで、これには大層驚きました。
「リゾート地!」なので、こうなのかもしれませんが、一般の住民の方も大変だなあ、と、思わざるを得ませんでした。