経緯はメンヒの項を見ていただくとして、アイガーを諦めたため、午後からグリンデルワルトの街を出発して、ヴェッターホルンの登山基地となるグレックシュタイン小屋に入りました。

　ヴェッターホルンのヴェッターはお天気の意味で、ここではこの山の様子からお天気が知れるから、のようですが、今回、アイガーが雪が付いても、こちらは登れる、ということで、どうも道は雪の中のボッカの予感がしました。

　この山は北側の岩壁が凄く、スイスの観光写真として必ず披露されるほど有名ですが、今回の登山ルートは西側からのルートで、北壁には立ち寄りません。

　朝、登高開始。アイガーと比べると易しい山で、普通の感じに進みます。一か所、岩尾根で確保はしましたが、他はほとんど日本の普通の山を登る感じ、だいたい2級くらいですかね？

　雪田に入ってからは写真も撮りましたが（リバーサルフィルムを使っており、ネットに乗せるには少し処理が必要です）、日が昇り始めのアイガーとユングフラウが非常に見事で、この山に登ろうとしないとこの景色は拝めないなあ、とか思いながらシャッター切りました。

　ただ、帰ってからその写真が一番良いと思って引き延ばししたら、残念ながらぶれていた・・・。朝の夜明け前で光が足りなかったですね。今回、最も良いアングルだっただけに、非常に残念に思いました。

　山頂直下、雪の斜面はかなり急になります。ところどころ雪が柔らかい場所もあって一息では登れず、休憩をはさんで山頂まであがりました。山頂からは東方向にオーストリアの山々も見られます。展望が効いて、景色は素晴らしかった。

　帰りは、小屋は素通りしてその日のうちに街まで下りてきます。登山後の「筋肉に少し疲れを感じるハイキング」が、これまた最高。マッターホルンの帰りも素晴らしかったですが、今回も最高でした！

（写真）下りの斜面にて

　グリンデルワルト！

　スイスに行って山を見るなら、ツェルマットかグリンデルワルトがお勧めです。どちらも本当に本当に素晴らしい！　世界中で最も素敵な場所の一つかと思います。

　二つの町で多少印象が異なっており、街派、ならばグリンデルワルト。山都派ならば、ツェルマットですかね？　

　グリンデルワルトは、兎に角、街がお洒落です！　雰囲気、渋谷か三軒茶屋か？

　そこまで行く列車が素朴だし、駅舎が素敵だし、町の建物が妙にお洒落だし、公園の噴水が可愛いし、水が飲めたりするし・・・。ホテルの食堂ベランダにたむろしてアイガーやユングフラウ、シルバーマウンテンなどの山々を見ていると、一日があっという間に過ぎってしまいます。私は一人でドーミトリー形式の安宿に泊まりましたが、そこも快適でした。そもそも山好きだけが来るような場所だし、オランダから来ていたアルバイトの若い女性管理人さんが賢くて素敵、朝食もヨーロピアンスタイルで私に合い、大変、良かったです。

　で、朝方散歩に出てみたら、見かけぬものが道に落ちている。茶色の大きい･･･。え？　これってナメクジ！！！　

　この姿には参りました。

　ハイキングとしては、町の周辺歩きも素敵ですが、登山鉄道でユングフラウヨッホ駅（終点＝標高3,450m）まで上がり、帰りに途中駅で降りて、下り方向の歩きを楽しむのがお勧めです。道々での広さ感、というのが、たまらなく良いと思います。

　もし、スイスで一か所しかいけないなら、空港＝チューリッヒで降り、電車でグリンデルワルトに行くのがお勧めです。チューリッヒはケーキが旨いし、清潔感のある電車の旅が、これまた頗る快適です。