[Result] JA=43%
1.9Mhz CW = 16 QSO (mainly Russia)
10Mhz CW = 191 QSO
14Mhz CW = 22 QSO
18Mhz CW = 380 QSO
21Mhz CW = 649 QSO , SSB = 12 QSO
24Mhz CW = 241 QSO
[Picture] Festival in Paro/Bhutan
[Rig] TS-480HX
[Antenna]
No.1: 10mH MV for 160m or 80m
No.2: 10mH MV for 75m or 40m or 30m
No.3: Single Delta Loop for 20 or 17 or 15 or 12m
・・・・No QRV on 80m/40m/10m/6m
[QTH] Paro Khangkhou Resort .
[Comment]
17/MAR to 20/MAR : condition was better .
21/MAR : condition was difficult .
I failed to make my plan . I need 7days or more for 80m or 40m operation .
【計画】
オセアニアには大分出掛けたので、今回の旅はアジアを考えました。
いつもながら、
①無事に一人で行って来れ、安全で病気に掛かりにくい場所である
②ライセンスが取得できる
③できれば珍しいエンティティーである
の条件での選択です。
いろいろ調べた結果、大阪国際交流センターラジオクラブの方の記録が目に留まり、ここなら行って来れそう、と判断しました。
早速、そのレポートにあったブータンの旅行会社のHPをアクセスし、ブータンでの旅行について調べてみたところ、ブータンはツーリストに少し事情のある国で、
・ブータン在の旅行社にツアーを依頼する
・お国で、一日に掛かる費用を決めている
・旅行中はガイドが同行する
という辺りを理解しました。(自分でホテル予約から航空券予約まで行って出ている今までとは、事情が異なる感じです=若い頃にネパールに行ったことがありまして、同じような事情でした)。
そのため、上記レポートに載っていた「シデ・ブータン」という会社に相談して、ライセンスの取得を含め、すべてをお任せすることにしました。HPは以下です。
(日本人女性がおられる会社で、なんと、日本語で相談ができます!)
http://www.zhideybhutan.com.bt/
※現在は以下に移ったようです。(02/Jan/2024記載)
ブータン旅行ならシデ・ブータン(Zhidey Bhutan) - 日本人スタッフ常駐のブータン政府公認ツアーオペレーター(現地旅行会社)です。 (kenketsu.com)
期間については、もう少し私が丈夫なら長い旅も良いのですが、疲れやすい体質なのと食事の合う合わないがあるので、マイナスに転じたときの救済策として、長くても5日泊と、先に決めてしまいました。(これは、結果としては失敗でした)
また、プラニングした当初は、ローバンドは全くの対象外で、「いつものデルタループで40mから上で出られれば良い、できれば空港の周辺で居座りたい」と考えたのですが、旅行スケジュール等が決まった後の2月のJD1での160mと80mでのQSOが、非常に良い状態であったことと、CLUBLOGによれば、ブータンは160mと80mでは「Wanted-Entityの上位に入っている」ことから、それでは頑張ってみんべえ、とついつい欲が出てしまいました。
ちなみに、ブータンでの旅行は、ツーリストは一人で自由にどこかにお出かけするのは駄目で、ガイドさんの同行が必要となります。また、後で現地で分かったのですが、滞在地からどこかに観光に出掛けても、ホテルで一日中籠っていても、基本的なベースで掛かる費用は同じです(ガイドさんは近在の場所で待機となるそうです)。
ガイドさんの腕の発揮どころを作るのもツーリストの役目ですし、観光会社としても、何も観光せずに籠っているのに料金を頂くのは申し訳ないという思いがあるだろうなあ、とも考えて、パロの街とパロ・ゾンの見学/聖地であるタクツァン僧院に行く/お祭りを見学する、の三つは、事前の約束として実行することにしました。
写真は、宿泊したホテルからの東側の風景です。建物は空港の建物で、奥に、パロ国際空港の滑走路が見えています。ブータンと日本の時差は3時間で、ブータンが遅れています。
※ブータンは入国に際し、VISAが必要です。旅行社で発行してくれますので、必ず持って行ってください。ない場合は、写真を持って行って向こうの空港でも取得できるそうですが、東京(成田)で飛行機に乗れない場合もありますので、十分注意をしてください。
持って行く貨物がいつもより増えたのは当然ですが、まずは、キャリー可能なポールを手に入れないといけません。急遽、ラジオパーツジャパンさんに無理を言って、DX WIREの100MINIを調達、アディショナルの貨物で持って行くことにしました。(ポールはなんと、2本です!)
出発前にアンテナテストを済ませ、160m~6mまでQRVできる体制は整えてから、成田に向かいました。
残念ながら、ローバンドで威力の高いMVは、働いている間はモノバンドです。バンド切り替えは、コイルタップとエレメント長さで調整する予定としました。荷物重量は、無線機材だけでも21kgでした。(今までは、重くても17.5kg)
写真は、宿泊したホテルの建物で、左の丘の上に小さいながら、アンテナが見えています。
[運用概要]
[3/17]
ブータン時間の朝10時、定刻通りパロ国際空港に到着、ガイドのウゲンさんと会い、ホテルに荷物を置いてパロの街を散策後、アンテナ工事を始めました。宿泊する部屋は上記写真の奥に写っている部屋で、2階にあります。逞しいウゲンさんと、ホテルの従業員の方が手伝ってくれて、すぐにポールは立ったのですが、その後がいけませんでした。
160mのアンテナが、周波数が高い方(1870くらい)に合っています! この場合、調整のしようが無いのです。あれこれと考えて、結局は疑似的に上部エレメント長さを伸ばす作戦で行くことで決着するのですが、今度は、アンテナ袂で周波数が合っても、部屋まで延長している同軸ケーブル(15m)の先ではどうしても周波数がずれ、SWRも2以下に下がらない。
「他にも30m/40m用と、いつものデルタループを調整しないといけないのに・・・」と、涙の出そうな中、ポールを上げたり下げたりを繰り返し、3時間も掛かって(!)、ブータン時間の夕方6時半過ぎに、やっと160mと15mのみ運用できるところまで漕ぎ付けました。よって、その日は15m15局のみの交信でした。(疲れてノックアウト状態でした)
[3/18]
朝早く起きることが出来たので、日の出の1時間くらい前から(=2310Zくらい。日の出はこの日は0008Zと聞いてました)160mをワッチ。1817Khz付近でヨーロッパからの信号が聞こえたのですが、どこか南方面との交信中らしく、CQではないし途切れ途切れだったりするので諦め、無信号の周波数(1822Khz)でCQを試みました。
結果、全然駄目。全く返答なしで、或る時間になって、やっと1局、ロシアの局から応答がありました。交信はその一局のみで、開けたのはわずかに1,2分でした。(この経験で、ブータンでの160mの難しさの一端が分りました)
0010Z以降は、全く信号無しとなりました。ノイズは常に、TS-480HXのメータで、57から59です。
朝食後、残ったアンテナの調整を行い、8時からウゲンさんと一緒にタクツァンの僧院まで行ってきました。標高3,150mの岩場に建てられた建物まで登って行くので、時間が掛かります。日本の3月よりは遥かに暖かく、5、6月頃の感じでしょうか? 汗もかきましたが、僧院は本当に素晴らしかったです。
長い飛行機の旅+バンコクではトランジットホテル在だったので、体と足を動かすことも大切で、大変有意義な一日に思いました。
[3/19]
この日は部屋に一日籠っての運用です。朝方の160mは思わぬ良いコンディションで、9QSO出来ました。ロシア以外にはルーマニア、チェコ、ドイツです。(Z時だと前日の2354~19日の0004Z)
日が上がってからは15mと17mで運用し、トータル586QSO出来ました。15mも17mもそこそこのコンディションで、JD1での泣きそうな信号強度よりはずっと良かった。ただ、位置柄、それに使用アンテナの特性から、ヨーロッパ/ロシア/JAがほとんど同じ強度で聞こえます(ロシアが強い)。例によって、2KHZほどの幅で信号が沢山並び、ヘナチョコ爺さんオペレータとしては、この状態は「ただ修行あるのみ」。
運用中に、突然停電となりました。長かったです。20分~30分くらいと思います。
[3/20]
この日も一日中オペレーションです。朝方の160mは僅かに5分ほど開けただけで、QSOはロシアとイギリスの3局でした。
(ロシアコンテスト局の「CQ TEST」は聞こえるのですが、コールサインは途切れ途切れで把握できないことが多い。ポコポコ! というような感じです。互いが競い合って、信号が分りにくくなって届いているような感じでした。無論、はっきりしている局もあり、その局と交信が出来ました)
その後は17mで運用したのですが、コンディションがあまり良くない・・・。その時、VK9Cでの経験が頭を掠め、デルタループの周波数調整を行って12mに出てみました。これが正解で、JA他145局とQSOが出来ました。(悲しいかな、レストランの食事予約をしていたので、途中で20分くらいの休憩を取らないとなりませんでした・・・)
昼食後、1時間くらいしたらコンディションが落ちて来たので17mに下り、更に途中で30mのアンテナ調整を済ませて、夜遅くまで30mで交信、この日は全部で505QSOでした。
この日も停電がありました。2回です。昨日よりは早めに回復しました。
30mは夕方以降、大変よく飛んでいる様子でした。(高さ10mのMVアンテナということになり、ほとんど、垂直バーチカルを自由空間に設置したような具合です)
位置の関係でJAやヨーロッパは易しく、北米/南米は超難しい! ようやく夜遅くにWが数局聞こえ、QSOが出来ました。(結局、北米/南米は、この時の実績だけです)
[3/21]
160mは非常に厳しく、入感信号は無し! 9時から、お祭りを見学に行く予定だったので、17mで少しQRVしたのですが、このバンドもほとんど入感無しでした。
お祭りと博物館の見学後、戻ってQRVしたのですが、非常に厳しいコンディションです。ロシアの信号が「取れるギリギリくらい」で、滞在中一番厳しいコンディションでした。それでも、12mで96局交信出来、トータルは160局。QRZ.COMでは、SN=25でした。
あと、午後に15mバンド全体をワッチした際に、9V1局がJAと楽しそうにSSBで交信していたので、私も試しに出てみました。最初は順調だったのですが、12局目のEY8局のコールサインがどうしても分からないで苦労している間にコンディションが落ちてしまいました。SSBは正直、苦手です。(英語で呼ばれると取りにくい場合があって、申し訳ない状態に入ってしまいます)
夕方以降は天候が崩れ、雨+雷!になってしまいました。
残ったリクエストに応えようと、40mアンテナ調整にトライしたり、雨に濡れながら20mにアンテナ調整し直したりして聞いてみたのですが、やはり駄目でした。諦めて、21時過ぎに、今回の滞在で一度だけのアルコール=ブータン製ビーアにトライしたら、疲れもあってノックアウトです。
翌朝の160mは、リクエストのあった局は一瞬聞こえたのみで、QSO出来ませんでした。
【今回、苦労した点】
上記のように書くと、順調に運用していたように思えそうですが、さにあらず・・・。
①アンテナがどうもおかしかった。特にデルタループが・・・。
まず、アンテナ設置後、周波数調整しようとしてカップラを見たら、片方のバリコンのツマミが変な方向に向いてました。どうも輸送中にダメージを受けて曲がってしまったようで、後ろ蓋を外してみたら、ロータとステータがショートしてました。仕方がないので、ニッパで無理やりツマミを叩いて軸をまっすぐにし、接触しているロータ羽根を曲げて、何とか使えそうな状態に戻しました。
それで、15mから調整を始めた訳ですが、アンテナ直下でSWR=1.2に調整しても、部屋に戻って送信してみると、偉く悪い数字(2以上)が出る。部屋でアナライザで見ると、どうも周波数がずれているらしい。仕方がないので、再び丘に戻ってアナライザを見ながら、バリコンを回す。部屋に戻ってみると、またずれる! どうして? こんなことが何回か続きました。
今回はいつもと違って、建物の横の「ススキの原の丘」にアンテナを設置し、運用している2階の部屋まで、同軸(3D2V)15mが空中を亘って伸びています。そのため、原因をしっかり探すなら、同軸を下したりもしなければならない。調整用の50cm長の同軸ではなく、長い同軸の末端でアナライザで調整しないと駄目になって、長い同軸をベランダから下し・・・調整後に外して部屋に運んで再び垂らして結合して・・・。結局、そういうプロセスになって、この作業を何回か繰り返して、ようやく目的周波数に合わせられました。2,250mの標高のため、急いで動くと息は切れるし、今までで最も大変な調整になってしまいました。
また、18mの長さのあるデルタループ用のエナメル被覆電線が途中で切れてしまい、急遽、ニッパで削って捩り結合するとか、微妙な時間ロスが発生しました。(デルタループは15.5mの長さで構成します。5.4mの釣竿の根元二か所に、残った部分を34回巻くので結構大変なんです。このおまじないが無いと、20mで同調しません。ちなみに、40mの場合は、カップラ内部のコイル交換をし、調整します。これもリクエストに対応しようとして、最終日の雨の中、試みましたが、SWR=2.5以下にどうしても下がらず、断念)
②160mのアンテナが上手くなかった。
状況は先に書いた通りですが、不思議なことに一度1,820KHZに合って部屋に戻って送信すると、2秒くらいでSWRが跳ね上がってしまいます。アナライザで見ると1,760KHZくらいに移動している。
(日本で調整出来ていた周波数を、わざわざ下げたのだから、エレメント調整したら、ここが正規位置なんです・・・。変だなあ)
そこで再び丘に行ってポールを全部下げて、上部エレメント部分を手元まで下げ、長さを調整してからポールを伸ばして部屋に戻り、もう一度アナライザで測ると、1,820KHZ。さあ、良し! ところが、送信すると、また1,760KHZに行ってしまう・・・。
こちらもデルタループと同じことを繰り返し、やっと何とか調整が出来ました。ところが、一旦調整が完了したら、不思議なことに非常に安定し、最後までそのまま使えました。どうも訳が分かりません。
(左のポールが160m用。右が30m用)
③30mのアンテナも似たような様子でした。
こちらも最初、10,600Khzに合っていて、コイルタップで調整するのですが、残念ながら1タップで200KHZも変化する。そのため、10,110Khz付近にならないのです。
仕方がないので、50cmのクリップ付電線(両端にクリップが付いている)を持ち出して、ポールを下まで下げ、上部エレメント長さを25cm程度伸ばし、ポールを上げ直して部屋に戻り、アナライザ測定と送信をして、また駄目で、とまあ、ポールの上下を何回も繰り返して、目的周波数に入れました。これまた十分に、1時間以上の作業でした。
そういう状況なので、「このバンドで出て欲しい」リクエストは、本当に困ったんです・・・。
④最初の3日間はどういう訳か、部屋でのWiFiが駄目だった。
断続的に働くのみで、全体では1割から3割の時間、働く程度でした。
リクエストが沢山来ていたので、何とか対応してあげようと、もがいたのですが、メールさえ飛ばず、読めず、その間に事情が変わったりして、宿題は複雑になる一方・・・。また、クラスタが見れないと、VK9CKなど、皆さんお待ちかねのDXペディ局に迷惑掛ける。空いた周波数探しも大変でした。
④それと、今回、一番困ったのはリクエスト対応です。
4局位までのリクエストなら何とかなるのですが、それ以上になると要求が相反することもあって、遣りようがない・・・。そのアポロジャイズメールを書くのに、また10分以上かかったりしました。良かれと思っての受諾も、時には駄目な方向に陥ります。
ちなみに、大きなペディではリクエストは受け付けないかと思います。それなので、「普通の競争式コールで負けてしまう状況の局は、個人ペディにリクエストをして期待する」のは理解できないわけではないし、またそういう状況の局に応えてあげたいとは思うのですけれど、せいぜい4つくらいまでですね。10を越えると、片や160mで片や80m、片や40mで片や30m・・・。両方は同時には出来ません。何とかならないかと考えたりして、それだけでも、だいぶ心労してしまいました。
リクエストに応えようとすると、その対応時間は普通の運用時間を削ることにもなります。安請け合いしないのがベターかな? と、反省しました。
⑤MPコネクタは、耐久性が無いですね。
通常、一回設定したら、それ以上は弄らないのが仕様なのかもしれませんが・・・。
私の場合、移動運用ばかりしていて抜き差し回数が馬鹿にならず、既にTS-480HX付属のメスコネクタも、ほぼブカブカ状態です。それなのに、その相手になっているMPで、中国製の新品メスコネクタに入れようとすると、入らない状態! 今回はMPコネクタ接触不良で、運用途中でSWR=∞、ってのに何回もなり、非常に困りました。(今回の設定では、MPと中間コネクタを使った接続が何か所もある構成になっていて、接触不良個所探しが大変、これは大きな失敗でした)
一方、そういうSWR=∞状態で送信してしまったのにも拘わらず、無線機はタフで壊れず、KENWOODさんには、深く感謝です。
[160mと80mの事情]
今回、80mはQRV無しですが、少しワッチはしてみました。シグナルは無く、ノイズがいつも59状態。アンテナは160mのもので聞いたのですが、それ以上は時間が取れず、情報無しです。SSBにも応えるならば、80m用と75m用の二本のアンテナを建てないと駄目で、QRVの難しいバンド、ですが、10mポールでも160mよりは何とかなりそうです。
160mは、信号が聞こえて送信しても、或る時間帯(お日様の上がる2~10分間?)以外は、応答がありませんでした。今回、2320Z頃(日の出より大分早めの時間帯)に、ヨーロッパの信号や西マレーシアなども聞こえて呼んでみたのですが、返事はありませんでした。
交信に至った時間帯は、「黄金の時間=僅か数分から10分くらい」で、或る日はルーマニアやチェコ、或る日はイギリス、或る日は・・・、というような感じで、ほぼ、「相手はお日様任せ」のような気がします。なので、このバンドでの交信は、長い期間のQRVと根気が必要に思いました。
(ルーマニア⇒イギリスは、一直線上の線の上に並んでますネ)
160mは11月がコンディションが良いそうなので、また、来るかなあ?、一人だと辛いなあ。
[停電]
運用中に、3回停電しました。突然に来るのでビックリです。交信中だったお相手の方は、さぞかし驚かれたのでは?と、思いますが、こればかりはどうしようもありませんでした。
止まっていたのは比較的長く、5分から30分近くに及ぶ場合もありました。でも、それでもラッキーだったようです。旅行社の方によれば、首都であるティンプーでは、ほぼ一日中停電したそうです(1時間半くらいしか電気が来なかったそうです)。こんなことは滅多にないそうですが、久しぶりのビックリポンでした。
[以降は、観光編です]
全体的に言いますと、ブータンは非常に雰囲気の良いところでした。街も素朴ですし、人々も素朴な感じで、私の子供の頃の日本の田舎のような感じでした。有名な仏教国家です。
今回は3月に行ったのですが、ちょうど桃の花が咲いて、大層暖かい。夜は多少冷えますが、暖房も程よく、寒いという感じはありませんでした。春と秋が素晴らしく、夏は雨が多いそうです。
お祭りは、12の県で別なお祭りが行われ、春か秋がシーズンだそうです。左の写真は、昔のお城で、今は政府の方とお坊さんが使っている「パロ・ゾン」です。3階建てで、非常に大きい。ガイドさん同伴でないと、中には入れません。
タクツァンの僧院は、パロの街から北西に14km位、川沿いに上がって行った町から右手の方向に当たる山の、大きな大きな岩場の上の方にあります。写真の真ん中に白く見えています。
麓まで車で行って歩いて上がりますが、登って拝観して下って来るのに5時間程度掛かります。
タクツァン僧院の建てられている岩場は、非常に厳しいです・・・。岩がオーバーハング状態の場所で、道の付けられた今でも行くのは大変ですが、建造物の何もないときにこうした場所に入り、悟りを開かれた聖人の大変さは、計り知れないものがあります。
写真の左手に階段で下って行って、写真中央左から、最後の坂を上がる感じです。
今回お世話になったガイドのウゲンさんと私。空港に降りて入国し、行き会えた直後の写真です。
彼は6か月間、日本語トレーニングに通ったそうで、今回は日本語+英語での会話でした。(ブータンではゾンカ語が使われていますが、数学などでの用語は英語のため、授業のほとんどは英語で行われるらしく、皆さん、英語は大丈夫のようです。ちなみに、ゾンカ語を聞くと、私にはフランス語のイントネーションに非常に近く聞こえました)
ウゲンさんにはアンテナ設営も手伝っていただき、感謝!です。
お祭りの様子です。年に一度開催され、5日間続くのだそうです。皆さん着飾っていて、着物が非常にカラフルで綺麗で、眩しいくらいです。中央の広いところで、仮面を付けた踊り手さん達が、物語に沿った踊りを披露しています。背後に鳴る大きな大きな角笛の音が、これまた微妙に不思議な音でした。
写真は、今回宿泊したカンクーリゾートの棟の一つです。こうした棟が3つ並び、現在も奥に増築中でした。部屋の中は清潔で、素晴らしいレベルです! 私としては部屋と食事には文句が無く、まさに快適!の状態でした。
ただ、部屋の照明だけが暗めで、コンピュータのキーボードが見辛かった。疲れもあって、送信のためのキーで結構、ミスタッチをしてしまいました。(F5,F6,F7が近くにあって、良く見えない。CTESTWINは便利ですが、長いことF5とかを押す作業は疲れます。また、訂正が発生した時は、時間が掛かりますね。その間、?を打たれます。Hi)
[Result] JA=33.3%
1.9Mhz CW = 52 QSO
3.5Mhz CW = 402 QSO
7Mhz CW = 81 QSO
10Mhz CW = 10 QSO
14Mhz CW = 58 QSO
18Mhz CW = 112 QSO
21Mhz CW = 178 QSO
24Mhz CW = 0 QSO
※CQWW Contest = 267 QSO
[Photo] Gangkhar Puensum (Higest Mountain in Bhutan )
[Rig] TS-480HX (180~200w operation)
[Antenna]
No.1: 10mH MV for 1.9Mhz
No.2: 10mH MV for 3.5Mhz
No.3: 6mH MV for the other Bands
・・・・No QRV 28Mhz
[QTH] Dochula (Eco) Resort .
[Comment]
24 to 25/NOV : condition was very good .
I enjoyed CQWW contest. Thanks so much for stations .
[計画]
ライセンス取得の関係で、他の場所に出向く準備が出来なかったことと、春のQRVの際に80m/40mが出られなかったことがあって、11月は再びブータンに行ってみることにしました。せっかくなのでCQWWコンテストに出てみようかと、つい欲も出てしまいました。イースター島からの帰りにTS-480HXに不具合が発生し、11月前半はあれこれ大変でしたが、何とか無線機も動作し、無事の出発となりました。
今回のステイ先はドチュラリゾートで、3100mほどの峠の上に当たります。ロケーションは最高です。
[運用準備]
24日の未明、羽田発のフライトで出発、宿には夕方4時頃に到着しました。標高が高いので寒く感じましたが、用意された部屋のすぐ外がテラスになっており、アンテナ設営は容易でした。前回も手伝っていただいたウゲンさんにポール設営をお願いして、どんどん組み立てた結果、1時間もせずに3本のマイクロバートが立ちました。1.9MHZと3.5MHZ用が常設で、10mポール使用です。(中央と右)
一番左がその他バンド用で、カメラ三脚の上に6mポールを立てており、バンド切り替えはエレメントの張り直しで行っています。7MHZ用としては少し高さが低いのですが、他には十分と思っています。
残念なことにここではWiFiは使えず、インターネットにアクセスできません。メールも読めない状況です。ヨーロッパの局から1.8MHZにリクエストを貰っており、それが心配になりました。
[運用概要]
今回はローバンドに主眼を置いたので、3.5MHZCWから運用を開始しました。24日の夕方はコンディションもよく、日本時間夜の1時過ぎまで運用を続けました。JAにも良い信号で届いていたようで、「マイクロバート恐ろし」とのコメントをいただきました。また、こちらでは翌早朝の6時から7時になりますが、1.8MHZのコンディションが素晴らしく、まるで普通のバンドに居るかのような信号具合で、ヨーロッパ/ロシアの局と沢山交信ができました(40分くらい続きました)。前回は、[黄金の10分間]だけしか交信できない感じでしたが、今回は本当に良い状態で、聞こえてくる信号もクリアでした。
その日は午前中はプナカに行って来たのですが、メインロードとは言っても半分は未舗装で、ところどころ雨季の雨で崩れており、道の整備だけでも非常に大変。作業は重機もありますが、手作業が多くを占めています。
午後に宿に戻ってハイバンドに出、その後7MHZ、3.5MHZと下りましたが、コンディションもまずまず、530QSOくらいまで進みました。
[26日、27日週末]
土曜日0時(UTC)からコンテストが始まり、始めに1.8MHZに出たのですが、ロシアとヨーロッパの信号が沢山、聞こえ・・・、ですが、こちらの信号はどうも届かない・・・。バンドは強力局で埋まってしまっていて、おろおろしながらの見送り状態になってしまいました。1.8MHZにリクエストを貰っていた局で未交信局がありましたので、いろいろと考えた末、午前中にティンプーに行って、[コンテスト中は駄目なので、28日にトライしてもらえるよう]連絡することにしました(ティンプーは都会で、WiFiがOKなんです!)。
結局、土曜日のコンテストは、どこのバンドに顔を出しても私のオペレイション能力では追いつかない感だったので、WARCバンドでのんびり運用しました。翌朝も同じ状況で、1.8MHZでは何回もCQを出すも空振りでした! 日曜日はお天気も良かったので、午前中はドチュラ峠から続く尾根の上の3600mの山に登ってきました。頂上にはお寺が建っており、周囲360度の景観でした。(写真は、途中の道から見えた山頂のお寺です)
[CQWW(CW)コンテスト]
コンテスト中も、本当は160mと80mで頑張ろうと思っていたのですが、設備/能力共にレベルまで達していないことを痛感しました。ですが、日曜日の日中に21MHZをワッチすると、意外に良さそうです。急遽アンテナを張り替えて出てみました。ちょうどJAが開ける時間だったこともあり、沢山呼んでいただくことができ、非常に楽しいオペレイションが出来ました。コンディションにも、交信いただけた皆さんにも感謝しております。160mで全然交信が進まなかった関係で、だいぶガッカリした気分だったのですが、この時間があったお蔭で元気が出ました。
この経験でオペレイトに少し自信が付いたので、夜は80mに出てみました。強力局の信号が林立する中、ほんの狭い隙間を探しての運用でしたが、JAからもコールをいただき、大変嬉しかったです。Dupe含み、トータル267交信でした。(やってみるもんですね!)
[160m=1.8MHZ考]
25日はコンディションが良くて、こちらの信号も飛んでいる様に感じましたが、基本的には、[聞く方は結構よく聞こえ]ますが、[こちらの信号を取ってもらうのは難しい]状態でした。日の出の1時間前からワッチしましたが(起きたばかりの時間で、それより前は聞いていません)、コンテスト中はロシアの局もヨーロッパの局もよく聞こえました。が、こちらの信号がどうしても届かない。アンテナとして18mほどの高さは欲しいし、出力も400W程度は欲しいなあと思いました。
※今回QSOできたカントリーは以下です。
9A,DL,G,HA,I,OH,OK,R,S5,U (DK等はそれぞれの国に含む)
※I received a wonderful QSL-card from Germany , the operator was 11 years old young lady ! Thanks so much .
[80m考]
思ったよりもよく聞こえ、よく飛んでいたと思いますが、遠くはオセアニアがやっとの感じでした。やはり、もう少し高いアンテナが欲しいように思います。北米/南米は厳しかった。(他のバンドでもそうなんですが・・・)
※今回QSOできたカントリーは以下です。 4K,4X,5B,DL,E2,ES,EX,G,HA,HL,JA,KH6,LA,LY,LZ,OG,OH,OK,OM,P33,PA,R,S56,SM,SP,U,VK,YL,YO (DK/DM/HG等はそれぞれの国に含む)
[全般的に]
今回は出発前に160mに沢山リクエストを貰っていて、それを何とかしたい気持ちが強かったのですが、初日にだいぶ交信が進み、少し肩の荷が下りました。コンテスト前半は、コンテストのある週を選んだことを反省してばかりいましたが、21MHZの交信で少し自信も出来てきて遣る気も出、今後に繋がるように感じました。
人間、何か目標とすることがないと頑張らないもので、今の自分よりも少し上のレベルを想定して目標を立て、それに向かって頑張るのは、歳を取ってからも同じなんですね・・・。
ブータンからは、北米/南米は厳しいです。リクエストも貰っていたんですが・・・。
[観光編]
[ドチュラ リゾート]
首都であるティンプーと旧都・プナカを結ぶ道の中間にある峠の上の宿泊施設です。ドチュラは、ドチュ(=場所名)の峠、という意味だそうです。標高が3100mほどもあって、この時期、朝晩は寒いくらいの場所です。駐車場から写真のような急坂を登って玄関にたどり着きますが、少し登るだけでも息が切れます。部屋は6か7だったと思います。暖かいお湯も出て、設備は素晴らしい。無線目的の滞在には最高の場所かと思いました。(WiFiでのインターネット接続はできませんでした。iPHONEは大丈夫と思います)
玄関前はこんな感じです。遥か向こうにヒマラヤの峰々が見えています。いずれも6800mから7500mほどの標高があり、最高峰のガンケルプンズムは聖山で登山許可は下りず、未踏峰です。
ブータンは大きな山の続く国で、谷に当たる部分に街があり、一つの街から街へ移動するには、川に沿って一旦下流に下り、川の合流点で橋を渡って、別の川に沿って再び上流に向かう、という方法になります。パロ⇔ティンプーは舗装道路ですが、ティンプー⇔プナカは未舗装が半分ほどありました。以下のような感じです。山を削って道を作っているので、雨季には壁が崩れ、乾季に再び工事。トラックがいっぱい走っておりました。
側面の崖がかなり急で、70度か80度のところも多いです。
[プナカ・ゾン]
プナカは旧都で、写真のような美しいお城があります。街はそれほど大きくはないですが、ゆったりとした落ち着いた雰囲気がありました。
[ティンプー]
首都=ティンプーはブータンで一番大きな街で、写真の中央のような感じ。街は日々、大きくなりつつあり、10年前は田んぼだった場所に、今は家が立ち並んでいます(写真左)。