[Plan]
ナウルは一年以上前から行きたいと思っていた国で、コツコツと調べてはいたのですが、何しろ渡航が難しく、なかなか旅行の実現ができませんでした。ところが2019年の上半期になって、突然、C21WWがペディションを行い、それなら何とかなるのでは? という気になりました。
この国への渡航、ならびにライセンス取得が難しいのは、以下の理由です。
※VISAが必要だが、それを取得するためには、申請書に 以下の書類を添付しなければならない。
・パスポートコピー
・ナウルへ渡航する航空機のチケットコピー および
本国(日本)を出発するためのチケットコピー
・ナウルで宿泊する宿の予約書
この中の「ナウルでの宿泊所の予約を取る」のが、とても難しかったのが、もっとも大きな理由です。
もし一般のお客さんであれば、一件、Booking.com等から予約できる宿はあるのですが、無線をするのは難しそうな場所です。他のナウルのホテルは、メールによる問い合わせによるしか予約ができません。
昨年1月にも(国営の)メネンホテルに問い合わせをしてみたのですが、難民受け入れ事情があるらしく、部屋は全く空いていない、という返事一回だけで、通信はとだえてしまいました。けれども、今年の下半期に入ってからは幾分か事情が良くなったらしく、私の問い合わせにもときどきメールで返事が来るようになり、10回以上の遣り取りをして、ようやく予約を取ることができました。
ここまで進むと、ナウル航空や政府のイミグレーション担当部門とのやり取りはスムーズで、メールも翌日には返事があるくらいの感じで対応をしていただけました。
ただ、出発直前の今日でもVISAが取れた訳ではなく、現地で「いただいたメールに添付されたシートを提示して正式にVISAを発効してもらう」必要があり、そのため、まだ正式に入国ができるかどうかも分かりません。
それと、無線免許の申請はしたのですが、入国許可同様、現地で手続きしないと発行してもらえません。いただけるかどうかも、分かりません。
上記の事情から、今回は運用できるかどうか現地に到着してみないと分からない状況で、そのためアナウンスを控えておりました。
ただ、現地ではインターネットでの自分のHPの編集ができるかどうか分からないこともあり、一応、ここまでは記載を行うことに致しました。何とか入国出来て、無線免許も降りると良いなあ、と思っております。(1/9 記)
[Result]
無事に入国でき、運用もできました。
2days operation . 510QSO .
14MHZ FT8
7MHZ FT8
18MHZ FT8
[Rig] TS-480HX
[Antenna] MV
[Grid/IOTA] RI39lk OC-031
[Comment]
小型MVアンテナの運用で、こちらの受信レポートは強く、貰うレポートは二桁で弱かった!
[ライセンス]
日本で申請が可能です。パスポートコピーの他、日本のライセンスの英文コピーを送ります。また、使用バンドやモード、持ち込む機器の種類と空中線電力も知らせる必要があります。担当の方にメールで運用をしたい旨を問い合わせると、その辺の連絡が来ますので、返信で申請します。(どうもこれが申請書になるようです。専用のアプリケーションシートはありません。ですので、このメールの内容が大切になります)
申請料は50AUDでした。到着後の支払いで、ということでしたので、オフィスに行って支払うことにしたのですが、今回は担当官が海外に出ていたことと秘書の方の不在などがあり、若干時間が掛かりました。(事務所に都合、3回出向きました。事務所は空港滑走路の海側にあります)
支払い後、担当官の方からはメールで、申請した内容で運用を始めて良いと言われたのですが、サイン日付の前後が心配なので、ライセンスを貰ってから運用することにしました。
(ちなみに、オランダなども払い込みより先に運用が可能になっています)
⇒1月14日に事務所にて手続きができ、1月15日、16日と18日の夕方に運用の予定となりました。(免許は今年の末まで有効)
※追記
お正月に家に閉じこもっていたせいか、長いフライトで血流が悪かったせいか、荷物を担いで歩いている最中に右足の袋はぎを痛めました。なかなか治らず、四苦八苦。今回は「爺さんぶりを120%発揮」しました。いやはや・・・。
[ホテル]
ブリスベンを出てから6時間近く掛かって、ナウルに到着しました。(途中降機でホニアラに着陸したときは驚きました。給油でした)機は737-300で狭かったですが、8割以上の乗機率で、半分以上がナウル居住者以外でした。
今回泊まるメネンホテルは国営です。最初に作られたときはかなり立派な設備だったと思いますが、今は老朽化が進んで方々メンテ工事中です。それと、難民受け入れのためか敷地内に沢山の仮設住宅が並んでいて、高級ホテルという感じには遠いです。(その住宅らしきを、ホテルの一室にしており、私もそこに泊まっています=そこしか空きがない!)
でも、料金はそこそこ高い感じもして、この国の事情の大変さが伺われました。
写真を幾つか載せます。食堂があって、今朝がた朝食もいただいてきたので、その写真も。
1)ホテルの玄関。到着時には小規模ながらイルミネーションが・・・。
2)旧棟部分。それなりに立派ですが、鉄骨部分に錆が出ている。レストランはこの一階に
あります。
3)急造っぽい仮設住宅。ここも一室に数えられる。
4)ホテルフロント。インターネット(WiFi)は、この周辺でしか使えません。
Wifiは7日間で50AUDでした(何故かこれだけクレジット払いができた)
5)ホテルの食堂です。朝方、お客は私のみ。各部屋に配送が多いようです。
6)朝食。だいたい10AUDくらいで、まずまずのお値段。(野菜類がないですが・・・、コーヒーは美味かった)
[運用概要]
1月15日
免許のコピーを貰えたので、15日から運用開始したのですが、13日14日とは打って変わってのお天気で大雨です。ドシャブリで道に池ができるくらい。仕方がないので写真のような東屋の軒下に3m程度の長さでアンテナを立ててみました(MVはコイルが濡れると働かない)。
ただ、ここは左右に2階建ての建物があり、とても電波は飛びそうにありませんが、仕方がありません。
最初に20mから始めてみましたが、それでも何とかこれでもQSOが出来るんですね。垂直部分のエレメントは2m足らずです。(写真左手が日本方向で、家屋に直当たり)
夜に入ってから20mが閉じたので、雨の中、40mのMVに張り換えて運用しました。40mは同軸部分が長いので、アンテナを東屋のもう少し先まで運びました。(奥に見えるヤシの木の先は海岸です)
ほとんどのエレメントが地面を這っている状態でしたが、何とか交信ができました。
弱い電波の時はやはりFT8が良いです。今回は交信はすべてFT8によるものです。この日は総QSO323でした。
7MHZの運用の際のレポートがあまりに弱いので、小雨になったのを幸い、アンテナを部屋の前の空き地に移動し、ポールの長さを伸ばしてみましたが、あまり変わりありませんでした。
1月16日
この日も雨降りだったので、小さな袋をコイルに「雨合羽」みたいに取り付けてみました。要はコイルが濡れなければ良いんです。だいぶこれで助かりましたが、途中からまたドシャブリになって中に水が入ってしまいました。工夫は多少活きたように思います。この辺の防水対策は今後の課題ですね。
この日は17mFT8で運用しました。総QSOは510となりました。
1月18日
17日にキリバスに行き、18日午後に戻って追加で運用の予定でしたが、ナウル航空が8時間の遅れとなり、宿に戻ったのは19日夜中の1時。もう寝るだけでした。
19日は朝9時頃には帰国のため、この日は運用なしです。
※ときどき停電があります。そんなに長くは停まりませんが、QSO中は焦りますね。
[運用総括]
のんびり時間の進む国では、日本で思っているような具合では物事が進みません。免許も焦らずに取得する必要がありますし、天候もどうなるか分からない。なので、じっくり腰を据えて、少しでも運用出来たらラッキー! と思うことが大事かと思います。今回はいろいろありましたが、ともあれ500QSOもできたので、私としては満足の旅でした。ホテルの方は皆さん親切で、事務所に送ってもらうときとか、凄く助かりました。深く感謝しております。
[助かったATM装置]
ホテルの支払いが現金で、とのことで、日本で両替をしてきたのですが、オーストラリアドルはすごく交換利率が悪いです。それに、現金は安全面でも問題があるし、このところヨーロッパ流のクレジットに慣れていて、持ち歩きしたくない思いが強く、持ってきた現金では不足も考えられ悩みました。(税金が加算されると払えない・・・)
ブリスベンの空港で試した銀行カードによるキャッシングは受付してもらえず、焦ったままホテルに着いてしまいましたが、「ここのATM機ではお金が下せました!」
ああ、ありがたや! レートも凄くお客さんに有利で、これは活用しないといけないなあ、と改めて感じました。
ちなみにホテル料金は一泊185AUDでした。税金は特には示されませんでした。
また、空港への送迎や、依頼した事務所への送迎はサービスで遣ってくれる感じです。今回、日本のお菓子をおみやげに持ってきたのですが、とても喜んでもらえ、嬉しかったです。
[島めぐり]
1)空港の西側が街っぽくなっており、CIVICセンターがあります。
2)唯一のラグーンだそうです。憩いの場。
3)島の中央には、ゴツゴツとした岩が並びます。昔は海鳥の糞から燐の鉱石が採れた?
4)GOOGLEにも載っている名所だそうです。
5)昔は鉱石の積出港だった?
6)古い建物も、解体されつつあります。島の至る場所に難民のための施設がありました。
[ナウルについて]
とても小さな島で、大きな町はありません。周囲を車で回っても1時間は掛かりません。島の周囲を回る道路の端に家々がありますが、南の島ではわりと標準的な作りで、そこそこしっかりしています。雨の勢いが凄いので雨漏りがすることがあるかとは思いますが、まずまず暮らせている感じがしました。
アジアなどの難民を受け入れていて、日本でいえば昨今の災害時に建てられる仮設に近い建物ですが、そういう家々が割と沢山立ち並ぶ場所もあります。島の北東側には中国系の人や台湾からの人が多くいて、豚などの飼育や野菜栽培も行なわれているそうです。大きな港がないので、漁業が難しいかなあ、という気がしましたが、今後もしっかり逞しく生きて行って欲しいですね。
なお、家屋や街灯など、台湾からの援助が目立ちました。台湾も頑張ってますね!
島はマンゴーの形に似ているので、「マンゴー島」という愛称らしいです。ナウル航空は手持ちの機材が少なく、それで遣り繰りしていて遅れも多い様子でしたが、旅行者はそれを承知で計画を立てるべきかと思いました。今、ブリスベンでこれを書いてますが、沢山の親切をもらい、少しほっこりした気分でおります。いろいろとありがとうございました。
[追記です]
ナウルはほぼ赤道直下に位置します。私たち日本人の概念では、物凄い暑さ、という気がするのですが、少しもそんなことはありませんでした。日中に日が差しても屋外は普通に歩けますし、部屋ではほとんどクーラーは使用しませんでした。夜中は雨が来たせいもあるかと思いますが、寝ていて足が寒いくらいに感じ、目が覚めたくらいです。日本の夏の方が遥かに暑い。日中に外に出ていると熱中症になるくらいの日本の夏、って、一体何なんでしょうか?