[Result] Total = 1,616 QSO
1.9MHZ CW = 0 (No Operation)
3.5MHZ CW = 92
7MHZ CW = 231
10MHZ CW = 356
14MHZ CW = 354 , SSB = 1
18MHZ CW = 290
21MHZ CW = 292 , RTTY = 1
24/28Mhz only watched
※QSO with JA = 77%
QTH: Otai Hotel Grid:DG52gu
Te Pito o Te Henua s/n Easter Island Chile
RIG:TS-480HX(max 140w operation =10MHZ , other 120w) , using Ctestwin Program
Antenna: Micro-vert . ( 7-21MHZ: 5.4m pole , 3.5Mhz: 10m pole )
※ClubLog is OK . LoTW: Uploaded .
[計画]
今までにオセアニア、アジア、ヨーロッパと行きましたので、今回は南米へ・・・。 南米と言えば、何と言っても、モアイで有名なイースター島でしょう!
次第に夢は広がりましたが、南米は行ったこともなければ言葉も分かりません。それで今回は、旅行会社主催のツアーに参加することにしました。参加ツアーはSTWさんの「ひとり旅」⇒「日本人スタッフが居るオタイホテルに泊まる9日間のツアー」です。打診の結果、ホテルでの無線運用の許可も下り、いよいよ出発! の運びとなりました。
無線運用の許可については、オタイホテルに勤めておられる清水さんに大変お世話になりました。
清水さん、ありがとうございました!
[準備]
イースター島はQRVも多いのでローバンド主体と考え、アンテナ強化をしました。使用するのはMVです。
①上部エレメントを短縮して、放射に寄与する部分を上げる
②リッツ線でコイルを巻き、効率化と軽量化を図る
3.5KMZ用はすぐにできたのですが、1.9MHZ用で難航し、最終調整は出発当日でした!
[写真] 1.9MHZ用が如何に大きいか分かると思います。
その他のバンドは従来通りのエレメントです。
[現地での準備、到着までの経緯]
成田から10時間のフライトでアメリカ/ダラスのフォートワース空港に到着、一旦入国して、夜の便でチリに向けて出発です。
次のフライトは9時間でサンティアゴ着、チリに入国し、この日は市内のホテルに泊まりました。(その日のイースター島行きの飛行機の出発までは2時間半ほどあり、乗り継ぎも可能に思いましたが、ツアーではそういうギリギリの旅程は組まないようです)
更に翌朝の飛行機に乗って、午後1時過ぎにイースター島に到着、最新の787は満席でした。到着ゲートを出ると、オタイに勤めておられる瓜生さんが出迎えてくれ、綺麗な花輪を首に掛けていただき、熱烈歓迎(!)を受けました。
ともかくイースター島は遠いです!
(ところが、ここでアクシデント!)
部屋に入って、まずは無線機の様子を見ようと、電源をコンセントに差したら、パン!という音と共に動かなくなってしまいました。日本で100Vで動作確認後、設定変更を忘れたようです=動揺してしまいましたが、電源はもう一個持っているので、これを慎重に使うしかありません・・・。
[写真] アクシデントにメゲながらも、瓜生さんに手伝っていただき、アンテナポールを立てました。
左が3.5MHZ/1.9MHZ用10mポールで、右はその他アンテナ用です。
ところが調べてみると、3.5MHZのオープン時間が日の出前の40分ほどで、1.9MHZの時間とかち合います。いろいろ考えたのですが、リクエストのあった3.5MHZに集中することに決めました。
ちなみに、イースター島と日本の時差は14時間で、イースター島が遅れています。
[10月14日~15日の運用]
バンドが開ける時間帯が分からないので、まずは一番安定していそうな18MHZから始めました。信号は思ったほど良くはなく、聞き取りに苦労しましたが、オペレイトはモンゴル以降だいぶ慣れて来て、うまく行く感じになりました。夕食後、アンテナを張り替えて14MHZに出ました。
(この辺は南太平洋とは違うパターンです)
14MHZはJST15時頃まで良いコンディションが続きました。587QSOとなり、久々のロングランで疲れ(現地では夜中の1時過ぎ)、しばらく寝ることにしました。
[写真] 部屋の様子。3人泊まれ、一人じゃ勿体ない!
[写真] ホテルのフロントで。
左から清水さん、私、瓜生さん。
[10月15日]
4時間ほどの睡眠で目が覚め、アンテナを張り替えて7MHZに。下部エレメントの最上部分でも4mほどの高さのマイクロバートなのですが、割と調子が良く、JST20時45分頃までJAが綺麗に入感しました。その後、3.5MHZに移りました。
3.5MHZはアンテナのマッチング周波数が低めなのと、3.505から3.510辺りに電話による強い信号が常時59++で入っていて使えないため、3.503を選びました。E6と5W0では、[せいぜい信号は53くらい、JAの強力局のみ聞こえる]感じでしたが、ここではJAのシグナルは、強い局の音が小型ヘッドホンで音割れするくらいになって、非常に驚きました。
ところが困ったことに、夜間の電灯照明がベッドの付近にしかなく、手元のキーボードが見えません! 7MHZ運用の時から、小型懐中電灯で手元を照らしながら遣ってやっていて左手が使えない状態で、これは失敗でした。好コンディションなのにスプリットへの切り替えが遅れ、勿体なかった!
この時間帯が良いのは、ちょうどこちらが日の出間際で、グレイラインの効果が得られるため。実際、40分くらいの時間帯に亘り、素晴らしい入感状態でした。これには大変驚きました。
JST22時を過ぎると入感は無くなり、朝食後、睡眠を取ってからワッチしてみたのですが、どのバンドも何も聞こえない状態だったので、無線は休憩することにして、先に島を見て回ることにしました。
瓜生さんの車で、モアイを製造していたという場所へ! このツアーは大正解でした。
瓜生さんは歴史にも地勢学にも鉱物などの出来方等にも通じ、説明も面白かった。非常に勉強になりました。
[10月16日]
18MHZが物凄く弱いため、21MHZへQSY。21MHZは18MHZよりもずっと良く、JST14時頃まで安定してQSOができました。
その後、一旦眠って、JST夕方から10MHZに出ました。コンディションは良く、電源1個使いでもこのバンドでは140W程度出ており、調子よく運転が出来ました。その後、コンディションの変化に応じて7MHZ、3.5MHZと移ったのですが、3.5MHZは昨日とは打って変わって厳しく、強い局もとぎれとぎれで、やっと1交信の間だけ聞こえる、というような状態でした。
[10月17日]
CWの運用が続いたので趣向を変え、RTTYを試みました。ちょうどJARTSコンテストが開かれており、信号がよく聞こえる21MHZで試しました。Wがよく聞こえるのですが、どうもアンテナをJAに向けているようで取ってもらえません。30分位粘ったのですが駄目で、ようやくJAの局が1局、取ってくれました。その後も少し続けはしたのですが、全く応答がなく、諦めてCWへ。21MHZは今日も安定していて、良い状態でした。
その後は昨日と同じようにバンドを下に下がりました。10MHZが意外に粘って多くのQSOができ、その後7MHZ⇒3.5MHZとQRVしたのですが、今日はコンディションが良く、3.5MHZは15日同様に、ヘッドホンの音が歪むくらいの音量で入感しました。非常に楽しいENJOY-TIMEでした!
[写真] ハンガロアの村のはずれは港です。小型の船が並びますが、漁師さんの船で、彼らは夜から漁に出て朝方に帰り、市場に採り立ての魚が並ぶそうです。
[3.5MHZ]
このバンドが、今回では信号強度が一番強く、驚きました。グレイラインの効果があったためかと思います。ヘッドホンで音割れするくらいで、まるでJD1でJAの信号を聞いているようでした。
ところがこういう場合は、受信のフロントエンドの処理の影響でAGCが働き、強信号の脇の目的信号は非常に弱くなってしまいます。(パイルアップして、中心周波数には沢山の局が並ぶため、聞き取りができません。RITでその周波数を逃れて聞いている状態です)
この現象が出ると、オペは非常に苦労になります。今の無線機では限界かなあ?という感じです。
3.5MHZがこんなに開くのであれば、もう少し長居をする計画を組むべきでした。勿体なかった。こういう様子ですので、どなたか、ぜひ、試みていただきたいと思います。まさか3.5MHZがこれほどとは、思っても見ませんでした。ですが、開く時間は40分程度です。短い・・・。
[18MHZ]
いつもは期待のバンドなのですが、今回は時間帯の選択も悪かったのか、信号が弱かったです。21MHZや14MHZの方が良かった。不思議に感じました。
[10MHZ]
最終日にそろそろフェードアウト、と思った頃から、意外に粘りました。RITで1.78KHZ上で聞いていると、そこに非常に弱くてもはっきりした信号が入ります。返答するとすぐに599が帰ってくる。こちらでは非常に弱い信号なのに、大変安定していてよく聞こえる。これにも非常に驚きました。パイルして混雑し、RITを回しては返答、という操作を繰り返すよりも、ずっと安定してQSOが続き、良い経験でした。10MHZも不思議なバンドです。
[アンテナ事情]
今回は全バンド、マイクロバートアンテナを使用しました。ポールは10mと5.4mの二本です。
①3.5MHZ/1.9MHZ用
周波数が低いので、高さは少なくとも10m、必要と考え、10mポールに3.5MHZアンテナを固定して設置しました。時間の関係で、今回は1.9MHZは試みませんでした。
②その他バンド用
カメラ三脚の上に5.4mの釣り竿を立て、使用するバンドごと、モノバンド用エレメントを張り直しました。7MHZ/10MHZでは、下エレメントが半分以上地面を這っていて、その部分は電波放射には寄与していませんが、JAにはそこそこ飛んだようです。
21MHZは全長が3.7mほどのため、ポール=5mも要らないくらいです。こんな小さなアンテナで電波が飛ぶのか? と思われるかもしれませんが、全く問題なし。打ち上げ角が低いのだと思います。18/14MHZは、そこそこバランスが取れたアンテナになっていると思います。
※夜間でも、人が、地面に這ったラジアルに躓いたりしかないように、地面部分のラジアルは生垣内に、また、石垣脇に、人が容易に触れない置き方で置いています。ポールも、10m用はステーを張っています。
[ライセンス]
チリの無線連盟の秘書さんに以下の書類を送って管理局の審査を受け、無料で発行いただけました。チリは大変友好的で、感謝です。
①指定フォームの申請書 ②JAの免許証+免許状の英文コピー ③パスポートのコピー
お世話になったのでテンポラリーで無線連盟に加入することにし、費用(US40$)を送りました。やり取りはすべてE-MAILです。ちなみに、サンティアゴ市内はCE3になりますが、そちらでの運用も許可になりました。ホテルでのアンテナ設置ができないことと、疲れも出たので、今回は運用は諦めました。免許取得に際しては、JH0CJHさんに協力をいただきました。感謝しております。
[インターネット事情]
オタイホテルでは、フロント付近でWiFiが使えました。ただ、私の部屋はそこから歩いて一番遠い場所にあり、運用中は見れませんでした。また、イースター島は衛星回線でネットに繋がっており、しかもサーバーの容量が少ないそうで、速度はかなり遅いです(ニウエよりはマシでしたが)。
・・・この辺が便利になると良いですね。
ということで、メールは読めましたが、一定時間で通信できないと文句を言うGoogleのメール画面に、何度もX(ペケ)が出ました。(使ったことのない[簡易HTMLを使いなさい]が出てくる)
なお、島でAUの携帯電話が使えました。(ありがたかった!)
[サンティアゴ]
写真はサンティアゴ市内です。大きなビルが立ち並ぶ大都会です。メインストリートであるプロビデンシア通りは、車の数が多い。言葉はスペイン語で、英語が話せる人は少ないようです。街は初日に4時間、最終日に4時間、散歩して歩きました。
ホテルはディエゴ・デ・ベラスケスでしたが、従業員の方の対応が大変丁寧で好印象でした。お勧めホテルです!
[アンデスの山]
市内から、目でははっきりとアンデスの雪を頂いた峰々が見えるのですが、写真ではどうもクッキリしません。何度か撮影を試みたのですが、どうしてもこんな程度にしか撮れませんでした。サンティアゴから車で行かれる場所に、スキーリゾートもあるそうです。
街はさすがに大きくて、片道2時間歩いても、オフィス街を出られませんでした。10階建てくらいのマンションも多かったです。
[トイレの件]
市内を歩いていた時、どうしてもトイレが見つからず、仕方なく地下鉄の駅に入ったのですが、ここにも無い! で、駅の管理室らしきところで聞いてみたのですが、私の[ドンデ エスタ エル セルビシオス?]が通じません。どうも[bagno=バーニョ]と言うようです。後で調べたら、これはイタリア語。どうしてなんでしょうか?
仕草で理解していただけたようで、駅長さんらしき綺麗な女性が親切に案内してくれました。犯罪が多いのかトイレは常時、鍵でロックされています。小さなトイレでした。感謝でした。
[ハンガロア村]
イースター島の人々は、かつては島に点在した村々に住んでいたそうですが、政治上の経緯もあって、今は島の南西にあるハンガロアの村に集中して住んでいるそうです。人口は6000人強。この10年で2倍になったとか!
村は大きくはなく、歩いて回っても1時間で見られます。各所にレストランがあり、食べ歩きも楽しそうです。
[オタイホテル]
オタイホテルは人気が高く、当初希望した10月19日の週も、オセアニアンコンテストの週も、空きがありませんでした。ヨーロッパ風のガーデンが、特にヨーロッパのお客さんに人気だそうで、私の滞在中も42部屋全室が埋まっており、フランスからもお客さんが来ていました。ハイシーズンは1月から3月だそうですが、3年先まで予約が埋まっているそうです。
今回はチリからの飛行機も満席で驚きましたが、この時期、モアイさんを囲む地面の草が緑色をしていて、写真にはベストのシーズンだそうです。
有名な、海岸に立つモアイ像です。大きいもので14mもあるとか! どうしてこんな大きなものを作り、建てたのでしょうね? 人間の考えることは、不思議です。
イースター島に来たら、モアイ像を作っていた場所には必ず行きましょう! 兎に角、驚きがいっぱいです。
※最後になりましたが、STWさんにも感謝です。
楽しい旅を、ありがとうございました。