[Plan]
ウォリス&フツナは三年前から行きたいと思って、あれこれと調べてはいたのですが、フランス語圏で言葉の障壁があって計画も立てられませんでした。ところが、今年の5月にG0VJGさんがQRVされ、彼にメールで様子を尋ねてみたところ、ホテルに英語の話せる方がおられるとのこと! それならば、と行く気になり、少し真面目に計画を考えてみました。
日本からだと、ニューカレドニアで短いトランジットをし、2時間半後の飛行機でウォリスに着くエア・カラン便があります。出発の曜日によっては、ニューカレドニアで宿泊する必要がある場合もありますが、今回は短いトランジットの日程を選びました。
(ニューカレドニアで宿泊する便を選ぶと、飛行機到着後にバスで50分ほどかけて市内まで行って泊まらねばならず、少しだけ寝て、再び翌朝早くホテルを出て飛行機に乗ることになります。しんどいです・・・)
計画段階で迷ったのは、ウォリス島はかつてハムの方が居住されていたこともあって、IOTAとしてはあまりレアではないことでした。
⇒ IOTAの事務局データによれば、フツナ島の方が遥かにレアで(28%程度)、出来たらここから出たいなあ、と考えておりました。
ですが、フツナに行くにはウォリスから更に飛行機を繋ぐこととなり、日数が大幅に長くなることと、二年も勉強しているのにフランス語が全く上達していない。そのため、今回は無理はせず、ウォリスに絞って行ってみることに決めました。
ウォリスは日本免許で運用許可を貰う場合は、現地で免許の申請が必要です。平日に申請して許可をもらい、その後からQRVする手筈となりますが、今回、英国のフル免許をいただけたので、FW/にての運用ができ、休日からも運用ができることになりました。(G0VJGさんのように、FWの固有コールを申請することも可能です。郵便局での申請となるそうです)
[Band] 160m~10m CW/FT8
[Operation] (100~200W)
[Antenna] Micro Vertical ( 160m,80m : pole length=9.5m )
( 40m,30m,20m,17m,15m : pole length=7m )
ITU=62 , CQ=32 , GRID : AH16VS ,IOTA:OC-054
[Result]
CQWWのCWコンテストの日程に合わせて出かけ、お空にも出てみたのですが、コンテスト中は強力局がバンドにずらりと並んでおり、弱小設備では難しかったです。それと、到着時の飛行機のフライトスケジュールもあって(夜間飛行)、初日からどうか眠くて、CWが解読難の時間もあり、結局、主にFT8で運用しました。
(TS-480HXの電源は、2か所入力方式です。12V30Aの電源2個使いで200w対応としていますが、そのうちの一個が輸送途中で壊れたようで働かず、最初の2日間は1個の電源で運用して100Wでの運用としました。後、予備電源を繋ぎかえて、180W程度は出るようになりました)
大まかに言いますと、ここには信号はよく届きます。JAの信号もWや南米の信号もEUの信号も。なので、ちゃんとしたアンテナを立てれば、十分にQSOが出来る場所と思いました。特に40mは素晴らしく、また、160mも良く聞こえてビックリしました。
(FT8で言いますと、こちらへの信号は+数値で届きます。が、私が貰うレポートはー15dB以下、というような感じ。何というアンバランスでしょう・・・。電離層の反射具合が、行きと帰りでは大違い! 特にローバンドがそういう傾向でした)
ハイバンドは2エレモクソンでも十分ですかね? 二人で来れば、そういうアンテナも問題なく上げられるように思いました。(一人だと、荷物が重くて運べませんし・・・)
写真は、日曜日の空港です。締まっていて誰もいない様子でした。
[Result] total = 1,351 JA = 72%
DAY-1 CW = 66 FT8 = 203
DAY-2 CW = 3 FT8 = 336
DAY-3 CW = 0 FT8 = 345
DAY-4 CW = 64 FT8 = 195
DAY-5 SSB = 1 FT8 = 138
(1.8MHZ,3.5MHZ,7MHZ,14MHZ,18MHZ,21MHZ,24MHZ)
[Antenna] Micro Vertical
[Rig] TS-480HX (DAY1,2 : 70W~120w operation DAY-3,4,5 :70~180w)
[Comment] Receiving was good !
7MHZのアンテナを上げたところ、周波数が5.8MHZ付近に合ってしまって動きません。
それで仕方なく10MHZ用のエレメントを使い、長さ調整で凌ぎました。ということは、
10MHZのアンテナは適当なものがなく、以上から今回は10MHZは見送りしました。
(使用しているグラスポールにカーボンが入っているため? 理由はよくわかりません)
[運用概要]
11/25(土曜日)早朝に到着して、部屋のお掃除が終わるまで一休み(仮寝してました)、その後部屋に入り、芝生にアンテナを設置して、まずは21MHZCWで出ました。
コンテスト:
21MHZは比較的楽しめましたが、14MHZと7MHZは強力局がバンドに並んで、小型アンテナ局では相手になりません。疲れもあって、そうそうに切り上げました。
(写真は私の泊ったお部屋=バンガロウです)
[11/23(土曜日)]
コンテスト参加後、夕方から7MHZでFT-8に出てみましたが、コンディションはかなり良い状態で、沢山の局から呼ばれました。基本的に画面には綺麗に黄色から赤の列が並びますが、聞くほうの信号はグッドでも、こちらの信号は弱いようで、レポートでの数値の差が大きく、何回も繰り返しが発生しました。(こちらでは赤くなる信号の局でも、一回でQSO完にならなかった。お相手はやはりJAとWが多く、EUはほんの数局でした)
160mはCWを聞きましたが、まだ日のあるうちからWは良く聞こえます! ですが、コンテスト局へ応答しても返事がない・・・、さすがに100wでは厳しいか・・・。
JA時間の21時頃からJA局と交信しましたが、JAの信号はJD1で聞いているかのようです。強力!
でも、こちらのがなかなか聞こえないようです。カスカス。
[11/24(日曜日)]
日本との時差をそれまで2時間と思っていたら、実際は3時間でした。昨日の夜遅くまで頑張りすぎ、起きたらもう真昼のような明るさでした。(3時間しか寝ていない)
日曜日はこちらはお店も全てお休みで、従業員さんも来ない日のようです。ホテルのママさんに朝食を作ってもらって食べました。後、どうにも寝不足感が酷いので追加で少し寝、起きたらママさんが「キャピタルに行くので乗って行かないか」と誘ってくれたので、お昼までキャピタルに行って来ました。
首都とは言っても、家は十数件か数十件ほどです。ちょうど公会堂のような場所で踊りを遣っており、少し拝見させていただきました。(上の写真)
ホテルに戻って追加で寝、夕方からFT8で運用しました。最初は21MHZ、リクエストがあったので24MHZの具合を見ようと、少し24MHZで出たのち、7MHZに降りました。
7MHZでの運用終了後、ヨーロッパの人から「ペディモードで出てサービスしてほしい」旨のメールをもらいましたが、遣ったことが無いし自信が無いし、それに通常モードでも何度も聞き返しの出るようなアンテナ設備+コンディションでは難しいように感じ、結局それ以降も通常モードです。(ただ、ペディモードで出て、いつもと同じペースでそれなりにのんびり遣ると、通常モードと同じことかな? という気もします。経験者の方に相談して、次回から考えたいと思います)
夜間に1.8MHZのFT8を試みました。JA局の信号は強力でしたが、こちらのはカスカス。25QSOで、Wも1局。
[11/25(月曜日)]
昨夜はこちらの時間で朝の5時まで遣っていたので、完全寝不足! 今日は80mでのスケジュール予定があるので、160mのアンテナから80m用に張り換えたのですが、これが全然ダメで、SWR=2.3という状態でした。
これでは送信側が話にならず、アンテナを直さねばならないのですが、リッツ線を200回以上巻いたコイルはいじりたくないので、40m用のアンテナに、予備アンテナの電線を切ってコイルとして繋いだりして遣ってみましたが、どうしても4MHZ付近までしか下がりませんでした。
既にお日様は煌々と照っており、芝生の上にいると10分ほどで「これはマズイ」という感じになります。仕方がないので「部屋の中で涼んでは、外に出てコイルを調整して」というやり方で遣ったのですが、遂にお手上げで、結局、80m用のコイルを解くことにしました。
「解いて行って上エレメントを伸ばして貼り、その度にポールを上げ直し、アナライザで測り」ます。結局、お昼まで4時間ほど掛かり、3,550KHZから3,580KHZ程度の周波数なら使えるアンテナになりました。
疲れ果てて昼食後はずっと寝て、夕方になってから14MHZ⇒7MHZの順で出ましたが、今日はコンディションはペケ! 7MHZFT8の画面は、数局しか見えず、しかも黄色にさえ見えません。みな-15dB以下の信号、という感じで、この変わりようにはビックリしました。
夜からは3.5MHZに出たのですが、そのうちにコンディションが安定して呼ばれるようになりました。でも、なかなかに厳しかったです。
※W局とは、一回の遣り取りでRR73もしくは73まで行けます。でも、JA局は厳しくて、こちらでは赤に見える局でも、一回でOKになったのは1/3以下。3ストライクアウトの方針で遣っているのですが、3回が多いうえに、その後のRR73が何回も送られてきてしまいます。
(この場合、こちらの73が取れず、QSO終了確認をするための送信に思います。これに対応するのに4回以上かかるのもあって、其の度に、少ない送信チャンスを使うような結果になりました。どうもJA側への電離層反射ミラーが弱く、不安定な感じがしました)
一局終わったかと思って次の交信に移り、その状態で聞き返しが来ますと、QSO途中で別のお相手に73送信をすることになり、どうにも変な具合になってしまいます。(お相手の局の不安も分かるので、極力対応するようにしています)
画面を見ている相手の局の方にとっては、交信中に他の局とのやり取りが入るので、
「何やっているんだろう、このおっさんは?」と思われたかもしれません。理由はそういうことですので、了承をお願い致します。
(今回73を送った回数は、交信局数の倍では済みませんでした)
こちらではRR73送ったらすぐにログに入れていますので、最後の確認(RR何々)は不要にも思うんですが・・・。⇒ CWでは「599、599」で交信済になりますでしょう! FT8も「-15、R-04」で終わりで良いように思うんですが・・・。
ちなみに、今回は毎晩、交信結果をLoTWに上げています。確認が必要な方は、その画面で見てください。
[11/26(火曜日)]
昨夜もこちらの時間で朝の5時まで遣っており、完全寝不足です! 日中は寝て、その後、軒下に17mのアンテナを吊り下げて出てみました。17mはコンディションが安定していて、上手く交信が進みました。夕食の時間はホテルの方との約束で進めているので、時間を守らないとならず、お待ちいただいているのに途中切りのようなことになってしまい、申し訳ありませんでした。
夜は160mと80mのリクエスト対応をしたのですが、160mは上手く行ったのですが、その後に雨が降り、80mのアンテナが2.6MHZくらいに同調点が下がってしまって上手く行きませんでした。送信希望周波数ではSWR=5とかいう数字で、どうしようもなく、夜中の小雨の中、1時間以上頑張ったのですが、遂に参り果てて撃沈・爆睡でした。
写真は問題のコイルです。リッツ線で巻いており、軽くて凄く良いのですが、湿気に弱い! 雨が降ると降参です。この上に防水対策で袋を掛けてもヒシチューブを掛けても、湿気が入ると逆効果。湿ってコイルが濡れ、やっぱり周波数ずれを起こします。これが今のところの難題です。
[11/27(水曜日)]
昨夜の奮闘で疲れましたが、朝の7時には起床、既に物凄く明るい!
朝食後、データアップロードしようとしたら、停電になってしまいました。暫くして復帰しました。朝からFT8画面を覗いていますが、40mも20mも17mも閑古鳥です。午前中は寝ることにします。
今日が最終日で、夕方の飛行機でニューカレドニアに戻ります。
写真は裸状態のチョークコイルです。FT240-043を二個使って、何とか140W程度連続運転まで耐えています。
午前中にローバンドのアンテナを片付け、昼食後に少し寝てから17mに出ました。そうしたら運用途中で、また停電しました。交信中の方、すみませんでした。
今回もほとんどFT8ですが、リクエスト対応でSSBが一局。同じ周波数帯でUSBなので、対応は簡単でした。軒下に設置したMVは、バンドすべてでほぼSWR=1.2以下で妙に優秀です。ハイバンドは楽ですねえ!
こちらの時間で夕方5時45分くらいまで運用して後片付けを行い、ホテルの支払いを済ませて飛行機に乗り込みました。ニューカレドニアでもそうでしたが、フランス語圏は食事代が高いです。日本の5倍!というような水準です。改めてビックリしました。(でも、ウォリスにはコンビニみたいのはありませんで、食事は外のレストランかホテルで採るしかありません)
[余談]
1)写真左の壊れた電源は、ネットで2,300円くらいのパソコン用電源です。軽いしノイズが
少ないので重宝していたんですが、ウンともスンとも言わず・・・。
予備用は20Aで少し小さく・・・、ファンもない。
2)荷物重量の関係で、ポールを二本しか持ってきませんでした。なので、ハイバンドは
「軒下アンテナ」です。柱の右手に、4mくらいの同軸(1.5D2V)が見えますでしょうか?
床にチョークコイルのBOXが見えるかと思います。
3)ホテルは綺麗! プールの青が新鮮です。
[観光編]
ウォリスは観光する場所がありません。それが、この島に観光客が少ない理由かと思います。兎に角、静かです。空港にも売店はなく、絵葉書一枚も売ってません。キャピタルでも、お食事ができたりお酒の飲めるバーがありますが、ほんのわずか。(その店に行くより、今のホテルの方が居心地が良いです。=プールがあるし、部屋は綺麗だし)
ということで、少しだけ写真を載せます。観光らしい観光には行っていません。
1)エアカランの飛行機は快適でした。着陸も上手でした。
2)お食事の一例。ビールを飲んでみました。ニューカレドニアの「No.1」というのと「MANTA」
というのをトライ(別の日にです)。MANTAが美味しかったです。(アルコール度5%位で
私にはちょと強い・・・)
3)ホテルロビーに飾られた絵
[キャピタルへ]
1)広場左手の教会の建物。
2)郵便局+コミュニケーションオフィス。JA免許での申請のときは、ここで手続きします。
(以前には事情が分かっているホテルの方が、到着前に申請をしてくれたこともあった
そうです)
3)車の中から撮ったので、少し曲がって見えてますが、海岸線!
[インターネット]
ビジネスで使う時間帯以外は、ほぼ普通に動きます。結構早いと感じました。なので、本編の記載も日本にいるときと同じ感じで出来ています。ビジネス時間帯で(たぶんホテルの他のお客さんが使っている?)、SSTVみたいになったことはありましたが。
[余談]
宿には常駐で、「GENDARMERIE」の若いメンバーの方が泊まっておられる様子です(お巡りさん)。皆さん、良い感じの方ばかりでした。お日様が差す場所は確かに暑いですが、曇ると気温はそれほどでもなく、木陰には十分に居られます。ハエは少しいましたが、蚊は見かけませんでした。
滞在は快適でした。
[まとめ]
ということで、太平洋で初めて運用を希望する方には、ここはお勧めです。フランス語は挨拶くらいできるとベターと思いますが、ホテルには英語を喋る方もおられますので、何とかなります。
ただ、部屋の料金は普通かと思いますが、食事の料金が高いです。これはニューカレドニアでもそうでしたが、日本の5倍くらいします。その辺、宿泊日数を考慮されると良いかと思います。
[更なる余談]
今回のチケットは、行きは成田空港出発だったんですが、帰りはエアーカランが関西空港行きのため、大阪に降りてJALで羽田に移動するようになっていました。てっきり関西空港での乗り継ぎかと思っていたら、何と伊丹空港からの便です。移動のためのバスの窓口のお嬢さんが、「渋滞で2,3時間は掛かりそうです」というので、南海電車+地下鉄+大阪モノレールでの移動となりました。日本国内の移動の方が遥かに大変ですね・・・。それに、大阪はえらく忙しない感じで、外国に来たみたいに感じました。
南海電車の「ラピートβ」に初めて乗ったのですが、窓が円形でお洒落ですね・・・。(本当は正面から撮りたかったんですが、時間がなくて・・・)
でも、それにしても、関空から家まで8時間も掛かるんです!!!