[GL] OJ86cc
[IOTA]OC-088
[RESULT]
7MHZ SSB = 2
18MHZ SSB = 268
21MHZ SSB = 254
28MHZ SSB = 14
50MHZ SSB = 106
※JA=94%
[運用地]
今回の運用地=コタ・キナバル市は東マレーシア/サバ州の州都で、南シナ海に沿った海岸線沿いに建つ街です。市の中心となる部分は近年、海に向かって埋め立てが行われ、その上に広い舗装道路が出来、また、10階建て以上の大きなビルディングが沢山立って、見違えるような綺麗な街に変貌しているとのことでした。実際、市の中心部でも工事が沢山行われている様子で、郊外に向かう途中でも建設中の建物が沢山あり、大型クレーンが空に幾つも見られました。
[シャックについて]
旅行会社=APIさんの話では、今までは日本からの運用希望があると、郊外にあるホテルの一室に臨時にシャックを設置し、そこに建てられているタワーを利用する方法を採っていたそうですが、機材を管理している9M6GY/9M6JY夫妻が自宅敷地内にシャックを作られたのを機会に、そのシャックから運用が出来るようにしてくれたそうです。実際、私も今回、そちらから運用させていただいたのですが、二階建ての建物で、大変綺麗な内装です。一階がシャックとキッチン+食事の場所になっており、階段中ほどにトイレとシャワー、そして二階の寝室にはベッドが2つ並び、エアコンが完備されています。このまま家族で住めるような素敵な環境でした。
リグは複数あって、おいおい2オペレータが同時運用できるようにしたいとのことでしたが、今は以下の設備が設置されており、そのうち、1と2で運用を行いました。
リグ1(HF用):FT-1000MP(MARK-V)+VL-1000 (免許上、400Wまで)
リグ2(50M用):FT-920 (免許上、50Wまで)
リグ3(144M用):FT847
アンテナは、タワー上の14mHにHEXビームが上がっており、このアンテナで20m、17m、15m、12m、10m、6mをこなせるそうで、それまで使っていた3エレトライバンダーとは違って調整不要で快適! とのことでした。
また、40m用にはDPがHEXビームの下に設置され、HEXと同じローテータで方向可変が可能になっていました。2m用には別途、GPが上がっておりました。
(この辺りは、APIのHPにも説明と写真が載っております)
[運用まで]
3/26の夕方8時過ぎに空港に到着、9M6GYさんの車で、ご自宅のシャックに案内されました。翌日は、奥様の9M6JYさんにお世話になって、10時前に市の中心部に免許申請に行き、午後3時頃にライセンスを貰いました。ライセンスについては別稿で書きますが、こちらに住んでおられるハムの方の手助けが無いと、取得は難しいと思われます。
[運用]
3/27の17時半(JST)頃から運用を開始し、3/30夜までに約600局とQSOができました。日々の詳細は別稿に、それぞれ記載したいと思います。コンテストは7Mhz,21Mhz,28MhzでQRVしました。(時間の関係で、これから少しずつ記事を足してゆきます)
マレーシアのアマ無線ライセンスは、CLASS A、CLASS Bの二種類があり、
CLASS A:HF帯は400Wまで、6m以上は50Wまで。また40mは7.0~7.1Mhz。
CLASS B:10m以上での運用のみで、50Wまで。
となっています。(細かくは、別途、表に記載します)
以上から、日本のアマチュアがマレーシアで運用したい場合は、CLASS Aを取らないと、運用範囲が非常に限られてしまいます。
現地でライセンスを受けるには、まず、英語での試験を受け、合格するとCLASS Bが許可され、運用実績ののちCWの試験を受けて合格すると、CLASS Aがライセンスされる、とのことでした。この場合は、9M6**のような、短い正規の形のコールサインが授与されます。
一方、外国人がテンポラリーで運用することも可能で、この場合は自国のライセンスのコピー、パスポートのコピーを添付して申請書を作成し、SKMMに申請することになります。(日本のライセンスの場合には、従事者免許と局免許の両方が必要)・・・自分で出向く必要があります。
このケースでは、許可されるライセンスは、50w以下の局はCLASS Bのみ、50Wをかなり越えた免許の場合は、CLASS Aをいただけるとのこと。
私の場合も、最初に50Wの「日本で言う移動局免許の」コピーを送ったら、1アマ免許でもCLASS Bのみ、と言われました。そこで、再度、200Wの方の局免コピーを送り、ようやくCLASS Aが許可されました。テンポラリーライセンスの場合は、運用期間は基本的に3カ月です。
今回、運用半年前に書類一式を送って事前申請をしてもらい、正式申請日当日は9M6JYさんに同行してもらって説明をお願いし、ようやく数時間後に免許をいただくことができました。察するに、現地のハムの方の尽力がないと、スムーズな発給は難しいと思います。(私の場合も、窓口で最初は3日後、と言われましたが、その日には帰国してしまう旨を説明してもらい、なんとか当日の内に免許をいただくことができました。申請料はRM=69、日本円換算では2,300円くらいでした)
テンポラリーの場合は、9M6の後に、/自国のコールサイン、というコールサインが授与されます。(よって、私の場合は、9M6/JA0JHQ。また、クアラルンプールだと、9M2/JA0JHQとなるのですが、半島の方はライセンス審査は厳しく、国の政情によっては発行されないこともしばしばある、と、聞きました)
周波数 | 出力 | 電波形式 |
1.8-2.0 | 400 | A1A,A2A |
3.5-3.9,10.1-10.5,7.0-7.1, 14.0-14.35,18.068-18.168, 21.0-21.45,24.89-24.99,28.0-29.7 |
400 |
A3E,R3E J3E,F1A(AMA TEUR SATILITE), F2A,F3E(AMA TEUR SATELLITE) |
50.0-54.0 |
50 | |
144.0-148.0 145.8-146 430.0-440.0 |
50 50 50 |
A1A,A2A,A3E,F1A F2A,F3E,J3E,R3E(AMA TEUR SATELLITE) F3E,F1W |
1240-1300 5650-5850 10000-10500,47000-47200 24000-24050,75500-81000 241000-25000 |
50 50 50 50 25 |
A1A,A2A A3E,R3E J3E,F1(AMA TEUR SATELLITE) A3C,C3F
|
ハイバンド
グアムやサイパンで運用していると、日中はJAに良く飛び、沢山のQSOが可能なことが分ります。それが夕方を過ぎる時間帯からヨーロッパの電波が優勢になり、日本がフェードアウト。それが2~3時間続いて、再びJAが聞こえ、再度フェードしてその日は終了、というようなパターンを描きます。
けれど、ボルネオでは、上記の「ヨーロッパの電波が強くなり」は、ありませんで、終始、ほとんど何も聞こえませんでした。14MHZは、あいかわらず数局聞こえてはおりましたが、私の好きな17m、15mでは、ほとんど全く、ヨーロッパの局のコールサインは聞きませんでした。よって、今回はヨーロッパ局との交信は、ほぼ0でした。
(ヨーロッパの局にとっては、9M6はかなりレアーなカントリーではないかと思います)
40m(7MHZ)
マレーシアでは許可されている帯域が7.0~7.1の100KHZしかなく、非常に厳しく感じました。JAの聞こえる時間帯(朝4時頃から8時頃までと、夜9時前後の時間)は、7,040~7,050、7,070~7,085辺りまでは現地の「コールサインを言わない局」が強烈で、DXは全くダメ、という感じです。JA局は、かろうじて、7,065+-5KHZと、7,095+-5KHZのみが聞こえる程度で、しかも非常に弱い。40mは厳しいなあ・・・、というのが実感でした。コンテストでも1局、交信できたのみ。通常交信も、JAは1局のみでした。
夜間は全く信号が聞こえませんでした。40mでQSO実績を作るには、介抱が必要です。
ちなみに、JAならワンサワンサと聞こえるCWも、7,028辺りで数局聞こえるだけで、ほとんど他の周波数では聞こえてきませんでした。不思議な感じがしました。
6m
サイクル24のフタコブ駱駝の二回目が来ているそうで、コンデションは夜9時頃からが良い、という情報を得て、27日夜9時頃からワッチしました。と、暫くして9W6が入感、JAの局と交信していたので、これは! と、思ってCQを試みたところ、初日=19局、QSOできました。その調子で、二日目=25局、三日目=40局、四日目=21局のJA局と、交信が出来、特に3/29は素晴らしくて、21:24~23:40まで、2時間以上もバンドが開けておりました。
(各局、ありがとうございました!!!)
運用はSSBだったのですが、HFとは全く違って、S1以下の低ノイズの中、ノーシグナル状態で聞いていると、突如、59の信号が聞こえる! という感じの異次元の感覚です。これはまるで、FMで運用しているかのような感覚で、何しろ、ノイズが少ない。これには驚きました。
また、そんなふうなので、消えるときも突然です。複数局からコールがあって、先を急いで交信して、さて、「QRZ?」を出した途端に、それからバッタリ! という感じで、毎日が終わります。中間が全くない!!! 本当に不思議なバンドだなあ、と、思いました。
[RESULT]
18MHZ SSB = 1
21MHZ SSB = 140 , CW = 172
24MHZ SSB = 18
28MHZ SSB = 2
※JA=94%
※CW= All Asian Contest
ここ暫く忙しくて、原稿が書けませんでした。定年の日が迫っていることもあって、仕事のTTとか退職後の予定を組むとか、まあ、雑事がほとんどなのですが、意外と毎日、忙しいです・・・。
さて、二回目のボルネオ運用ですが、前回の旅を教訓に、今回はコタキナバルへの直行便を選びました。便は、何かと話題に上がっているマレーシア航空便です。マレーシア航空は堅実に営業している航空会社だと聞きますが、昨今の2つの大きな事件で窮地に立たされているようにも聞いています。エコノミークラスでも、他の航空会社のビジネスクラスよりも美味しい食事が出るし、チケットは安いし、あれこれ親切だし、私は大変良い航空会社だと思うのですが・・・。厳しい状況はあっても、頑張ってほしいですね。
便は木曜日の午後に成田出発で、コタキナバル国際空港には20時半頃に着きます。また、帰りの便は月曜朝7時40分頃出発なので、休暇を取れる方にはお勧めの便かと思います。20時半着だと、まだ、ゆっくりその夜の食事も出来る時間です。飛行時間は約5時間半ほどですが、チケット代はグアム/サイパンよりは2割ほど安く(この辺の料金の仕組みは、不思議ですね・・・)、今回も、若い女性のグループとか、ゴルフバッグを担いだ高年おじさんの組が多く乗っていました。コタキナバルは、今は第二のハワイみたいなところで、綺麗な海のクルーズも出来、ゴルフコースも整備されていて、観光地としてはお勧めの所と思います。
無線の目的としては、今回はAll-Asian DX Contest CW参加が主だったので、コンピュータを持ってゆく積りだったのですが、電源事情が心配で暫く悩み、出発当日、APIさんに聞いて220、240Vでも大丈夫そうなことまでは分ったのですが、荷物の積み替えができず、結局、メモリーキーヤだけ持ってゆくことにしました。(5月のグアムは、パソコンでの運用でした)
前回の申請で既に免許は得ていますので(期間が3か月なので、6月27日には切れますが)、今回は思う存分、運用の時間が取れます。それで木曜日の夜にあれこれと準備し、金曜日はSSB主体で、土日はCW主体で運用してみました。また、夜は前回同様、50MHZも試す予定でした。
既に3月にQRVしている関係から、18Mhzと21Mhzは交信局も多いので、6月20日は24MHZにトライしました。コンディションはそこそこに見えましたが、午前中と午後で16局にとどまりました。夕方からは翌日のコンディションを測る意味で、21MHZに出てみました。
21日はALL-ASIAコンテスト、スタートの準備に多少の時間がかり、徐に始めました。
何と言ってもコールサインが長いし、早い速度だとコールサインが取れないし・・・、それでも、呼び廻りからはじめて、そののち、コンテスト電信バンドの空いている上の辺りで、ゆっくりCQを出してみました。最初は恐る恐るでしたが、次第に電鍵操作にも慣れてきて、一定のレベルでQSOが出来るようになりました。
他の局の聞き廻りをしたときもそうでしたが、参加局数が少ないのか、強力なシグナルで聞こえている局でも、1分に1局はとても無理で、各局空振りCQが多かったように思います。そのこともあったし、CWは連続で遣っていると疲れることもあって、午前中で早々切り上げ、食事に出た後で一睡して、夕方からは通常のSSBでの運用を楽しみました。
22日は起きて食事をした後、CWで運用し、午前中11時頃に中断してオーナーさんと食事+観光に出かけ、ビーチの周りを散策したりして過ごしました。この日はよく晴れて日差しが強く、日本の7月を思わせる気温でした。(写真はその時のもの) オーナーの9M6GYさんは船を作る会社の社長さんで、この写真に載っているようなクルーザーも手掛けているそうです。
散策から帰って小休憩後、再びCWに参加し、のち、SSBに移って20時前には今回のバケーション運用を終了しました。今回はトータル、334QSOでした。
50Mhzも何度も聞いてみましたが、30分以上CQを出しても応答がなく、諦めました。また、土曜日に現地のハムの方が訪ねてきて1時間ほど歓談し、144MHZにも出てみてくれ、というので、夕方にコールしてみましたが、残念ながらその局とは繋がらず、QSOは0局で終わりました。
9M6はこれで二回、運用したことになり、次回はもし可能ならば、半島の9M2からQRVしたいなあ、と、思っております。
交信いただけた各局、ありがとうございました。