[計画]
HamLife 2019年4月16日号に、「イギリスでフルライセンスが取得できる」旨の記事が載り、これは朗報だなあ、と、執筆者であるJR2BEFさんやJH0CJHさんらにコンタクトを取り、いろいろと教えていただいてから免許申請してみました。
ところが、担当部署であるOfcomは大層忙しいようで、2か月経っても連絡がありません。しかたなく電話で(拙い英語で)事情を話し、プロセスを進めていただいて、ようやくのこと、ライセンスをいただきました。
(いつもながら、皆様には深く感謝しております) 写真はエジンバラ城からのエジンバラ市
わざわざ免許を取ったのはQRVしたいからで、今回はマン島に行きたいのがメインです。が、せっかくなので、エジンバラ、ベルファスト、マン島、マンチェスターと経由して帰ることにしました。
英国は免許制度が変わってサフィックス固定方式となり、その居住する場所でM*何々のコールサインを使うような仕組みになりました。サフィックス3文字は空いているものから選べるのですが、今回は分かりやすくJHQで申請しました。今回の訪問地では、コールサインは以下になります。
エジンバラ:MM0JHQ
ベルファスト:MI0JHQ
マン島:MD0JHQ
マンチェスター:M0JHQ/P
[無線機材]
前回の旅で10wマシンであるKX-2を持参したのですが、信号が弱すぎて交信まで至りませんでした。また、バッテリーも壊れてしまったので、今回は小型軽量のFT891を新規購入し、RC用リチウムポリマー電池で運用できるようにしてみました。
ヨーロッパではCEマーク必要と謳うお国があり、また、南太平洋でもCEマークが付いていない機材は使えない、というお国があります。そのため、今回の無線機はイギリスのディーラーから、イギリスバージョンのものを購入しました。イギリスでは5MHZが許可になっていることもあり、日本では使用不可の、或る意味、イギリスライセンス専用マシンです。
アンテナは荷物の関係で、7/14/18/21のMVを持ち、ポールは伸ばすと3.6mの釣竿です。(収納時は長さ40cm) なので、7MHZは厳しいですね・・・。
[ライセンシング]
OfcomのHPに免許についての詳細が、以下に載っております。
https://www.ofcom.org.uk/manage-your-licence/radiocommunication-licences/amateur-radio/amateur-radio-info
2017年にOFCOMに登録をしていますので、今回の申請はとても簡単に済みました。
情報の元となったJR2BEFさんの記事は以下にあります。
https://www.hamlife.jp/2019/04/16/dx-callsign-license-m/
私の場合は、申請の際に必要なHARECの証明書を信越通信局にお願いする際に、「1アマ試験を受ける際に電信術の試験を受けて合格している」旨の記入を追加していただけるよう、お願いをしまして、備考欄にその記述がなされています。資格は「フル」で降りました。
[運用編] 電源の関係から50w~60Wでの運用ですが、10Wよりはだいぶ良かったです。運用場所の関係で北側にしか空いている方向がないので、或いはダメかとも思ったのですが、EA方向には何とか届いたようです。7MHZ/14MHZのFT8で運用しました。夕方までは14MHZ、日の入り以降は7MHZが主体ですね。
最初に赤色の応答があった時は、胸がキュンとしてしまいました。
Rig:FT891 Antenna:Micro Vert (l=3.6m)
[観光編] お昼の飛行機で移動なので、時間があまりありません。そのため、エジンバラ城のみ見に行くことにしました。出発2週間前に腰を痛め、ザックを担ぐ予定だったのを、急遽それにキャリアを付けて、なるべく負荷を減らす工夫をすることにしました。が、flyBeなどでは、機内持ち込み貨物の大きさ制限が厳しく、却って各所で凄く苦労することになってしまいました。(最後にその辺の話を書いておきます)
1)エジンバラ城の入場門
(チケットは9時半から11時入場、というふうに、時間を分けて販売されます。
今回はTripadviserで事前購入しました)
2)入ってすぐに、砲台が並んでいるのが見えました。
3)時代の新しい砲も置かれていました。
4)最上部の広場からの街並み(手前に砲が並ぶのが見える)
5)こんな大きなものも。
6)40分ほどで荷物の重さに耐えかね、建物の中の展示は何も見ずに外に出ました。
下りの坂道からは、こんな風に見えます。世界中から観光客が訪れる名所です。
7)街のメインストリートからは、こんなふうに見えました。駅からエジンバラ城へ
向かう方向は大きな公園になっており、そこも寄りたかったのですが・・・。
8)空港まではトラムに乗りました。どれだけ乗っても6ポンド。車両は新しいです。
車窓からの街はこんな感じでした。
エジンバラの街は通りも綺麗だし清潔感があって、気品を感じました。
[運用編] 昨日と同じく50w~60Wでの運用です。やはり運用場所の関係で北側にしか空いている方向がなく、少し厳しかった。ようやくQSOしている感じでした。
Rig:FT891 Antenna:Micro Vert (l=3.6m)
[観光編]
ベルファストのシティ空港に着いてみると小雨です。一旦バスでシティセンターに出てから、宿まで歩こうとしたのですが、雨は降るし寒いしで、タクシーをお願いしました。親切な運転手さんで助かりました。翌朝は、有名なクラムリンロードのGaol(刑務所)を見に行く予定です。
1)ネットに9:30入場とあったのでカッパを着て出たのですが、10時始まりとのことです。
説明員の方について回る方式で時間も掛かりそうで、飛行機に間に合いそうになく、
今回は入り口だけ見て戻りました。
2)刑務所の中ほどの場所でしょうか、高い塔が見えました。
3)道路はこんな感じで、メトロというピンク色のバスが走っています。
実はマン島への移動の飛行機が、昨日と同じシティ空港から出るものと思いこんでいたんです。シティ空港は市内から3k程度しかないので問題ないのですが、夕方、どうも気になって調べてみたら、かなり遠い場所にある国際空港からの出発とのこと。それでこの日のスケジュールは狂ってしまいました。(でも、気が付いて良かった・・・)
4)刑務所は見ずに宿に戻ったのですが、近くに「Water Works」という場所があり、
散歩のついでに歩いてみました。幸い、この辺りの時間では雨が止みました。
池には白鳥さんが一杯いました。
5)国際空港への交通手段を心配したのですが、メトロでシティセンターに出て、
ヨーロッパバスセンターで空港行きに乗ればよいことが分かりました。(調べるのに
凄く時間が掛かっちゃったですが) 写真は移動途中で見た市庁舎です。
6)国際空港には300系統のバスで8ポンド。40分ほどで着きました。
(写真は、鉄道のヴィクトリア・ストリート駅の隣にあるEUROPAというホテル。
この裏手がバスターミナルです。
ベルファストの人は親切でした。小振りの街ですが、まとまった感じがします。
ベルファストは小雨でしたが、マン島に移動したら良いお天気です。それに暖かい。10月初旬でこの暖かさは、周りを海に囲まれている恩恵かな?と思いました。 フライトは実質20分ほどでした。
(空港への移動の方が大変だった)
空港から一旦ポート・エリンに移動し、1時間ほど散歩しました。写真はポート・エリンの街の一角です。向こうに見える丘が、何とも良いです。
[運用編] 50w~60Wでの運用です。到着時間が遅かったので、7MHZで運用しました。写真のように画面には一杯映るんですが、こちらの電波は飛ばない!
Rig:FT891 Antenna:Micro Vert (l=3.6m)
今回の旅はマン島がメインで、運用も頑張ろうかと思ったのですが、時間の関係で小運用となりました。
[観光編]
[ポート・エリン]
1)ポート・エリンの港からの風景。海岸を観光客の人が、のんびり散歩してました。
2)ポート・エリンの駅舎。食事もできます。
3)蒸気機関車が引っ張る車両でダグラスに移動しました。蒸気機関車は懐かしいです。
子供の頃はずっとこれでした。ここの車両は小型客車で、大人が4~5名並んで座る
くらいしかない幅で、コンパートメントになっています。(自分じゃ外に出られない!)
4)列車はゴトゴトゆっくり走り、車窓には広い草原と羊さんや牛さんが!
煙の匂いがときどき中へ。石炭が燃えた時のあの微かな匂いです。
5)ダグラス駅に到着しました。意外と沢山の人が降りました。
6)ダグラス駅の駅舎。
[ダグラス/オンハン]
1)ダグラス駅からすぐの入り江は船がいっぱいでした。ホテル移動は歩きです。
2)海岸通りの建物。ホテルやアパートメント、お店に使われています。
3)今回宿泊した宿のオーナーさんが経営するレストラン。(オンハン)
今回、同じ名前の宿と間違ってダグラスから歩き、場所を間違ったことに気づいたら、宿のオーナーさんが迎えに来てくれました。もう夜になり始めたので、彼の経営するレストランで夕食をいただきました。
写真は、マンクス・クイーニーと呼ばれる小粒のホタテ貝です。本場に行くまで、実は全く知らなかったんです。美味しかった!
マン島は今回の旅では一番良い印象でした。意外と島は大きいです。それと、ここは王室領ですね。バス代や電車代も高くなく、納得できるお値段に思いました。
[MANX電気鉄道⇒スネフェル登山鉄道]
残念なことに、今日はどんより曇りで小雨が降っています。どうしようかな? カッパを着て、出発することにしました。
1)朝のオンハンの様子です。朝日も見えませんでした。
2)MANX電気鉄道の始発駅。この周りにはショップもありません。道の脇にポツリ。
3)LAMSEYに向かう始発電車。由緒あるNo.20です。
4)車内はこんな感じで簡素です。天気が良くなかったですが、30名は乗りました。
5)No.20の説明が飾ってありました。
6)こんな感じで走って行きます。車道には自転車ライダーの姿が・・・。
7)LAXEY駅で スネフェル登山鉄道の電車に乗り換えます。電車番号は、No.1でした。
8)駅はこんな感じ。駅舎はこれのみ。
9)No.1は、これから山頂に向かいます。雨の中、ごくろうさま!
10)中腹からガスになり、景色は次第に見えなくなりました。車窓からかろうじて滝が。
11)山頂駅のNO.1。ガス+雨+寒さで、駅内部で休憩したのみ。(食事ができます)
12)晴れているとこんな感じ。中央右奥が山頂です。景色は凄く良いらしいです。
[運用編] 50w~60Wで7MHZのみの運用でした。どうか信号の強弱が酷く、赤く見えている信号でもすぐに消えてしまったりする。コンディション厳しいですね・・・。
Rig:FT891 Antenna:Micro Vert (l=3.6m)
[観光編]
マンチェスターは雨でした。それに大都会で、あれこれ観光には向かず、今回は素通りです。
マンチェスターで今回の英国の旅は終了で、アムステルダム経由で帰国します。アムスでは、前回の旅で0交信だったのでQRVを試みますが、そのお話は別項で。
[マンチェスターの鉄道]
今回は、市の中心マンチェスター・ヴィクトリア駅に降りただけですが、暗くて古くてあんまり印象が良くありませんでした。それに、案内がほとんどなく、大聖堂とかサッカースタジアムも、どの窓口で出たら良いのかさえ分からない・・・。
それと、鉄道便のキャンセルが多いですね。空港からの電車も、ヴィクトリアまでは30分に一つしかないのが飛ばしになって、1時間近く待たないといけなかったし、不便を感じました。
また、翌朝の画面では、続けて2つの列車が欠航になっていて、その理由が「クルーの不足」! ストでもあるのか慢性的にそうなのか? 鉄道発祥の地とは思えない感じがしました。そんなこともあって、総じてマンチェスターは印象が良くありませんでした。
(ただ、郊外の街並みは素敵です。レンガ色の家が整然と並び、緑も多かった)
[マンチェスター空港]
発着数は多いのだと思いますが、KLMやflyBEでは自動チェックイン機がなく、旧来の方法で遣っていました。また、荷物検査も凄く遅くて時間が掛かりました。成田の倍は遅かったです。一次検査での通過率が悪く、沢山の荷物が開けられて再検査になっており、麻薬の検出検査みたいのも遣ってました。
それに引き換え、アムスのスキポール空港は凄かった。ザックからPCもエレクトリック製品も出さなくて良いんです!!! 時代の先端を行っている感じでした。
(スキポールについては印象が良かったので、PAの稿に追記します)
英国はEUから離脱しようとしていますし、スコットランドもイギリスから独立をしようとしているというお話もあるらしく、何か「自分流を通したい頑固な面」があるのでしょうか?
検査の列も、止まった列から動いている列への移動を促したりもしないんですよね。
(こういう場所は、処理の速度は大事だと思うんです)
あんまり頑固だと、取り残されて行くんじゃないか・・・、というような感じが、ちょっとしましたです。
前回の旅でKX-2では無理と分かり、今回はFT891持参ですが、出発2週間前に腰を痛め、それが中々治らず、とても長くは担げそうにない状態でした。それで急遽、写真のようなキャリアを1500円で買ってきて、転がす方式にしました。
(上側に伸びた部分は、下に織り込めるようになっています。
白く見えるのは買い物袋。雨だったのでカッパ替わりです)
ところが、機内持ち込みの場合、KLM(オランダ航空)は55cm*35cm*25cm以内でないとダメで、これがかなり厳しい。ザックの下を支える部分を使うようにすると27cmあり、結局、機内では折りたたむしかありませんでした。
これで何とかエジンバラまで行ったのですが、flyBEはもっと厳しくて、55cm*35cm*20cm以内です。この形の場合は薄手にするための工夫が必要で、大層苦労しました。
(その際に無理して押したりしたら、パソコンの筐体の鏡面加工部分がへこんでしまいました。ワー、切ない!)
下から見ると右の写真のような状態なので、一定の厚み以下にはならないんです。
それと、荷物検査の際に、エレクトリック製品は一旦、ザックから出しますので(大抵の空港はこの方式)、ゲート通過後に毎回、梱包のやり直しが発生します。これが非常に大変でした。パソコンは傷つけるし、コンパクトスタイル時は、ザック+1.1kgで担がねばならないし、酷かったです・・・。
ちなみに、flyBEの飛行機はボンバルディア製の機体で、荷物を入れる棚がとても小さく出来ています。そのため、こういう大きさでないと入らないんですね・・・。
今回は苦労しましたが、このキャリアの車輪は径が大きくて、移動時には驚くくらいに静音でした。今後、何かの工夫が必要です・・・。