[Result] JA=79%
10Mhz CW = 38
18Mhz CW = 307 , SSB = 4
21Mhz CW = 268 , SSB = 1
24Mhz CW = 158 , SSB = 1
[RIG] TS-480HX 120~160w
[Antenna] Single Delta loop for 18/21/24Mhz
End Feed (LW) for 10Mhz 2.5mH
[QTH] Turtle & Shark lodge
結果から書きますと、今回の旅は移動に大層な時間が掛かり、それでかなり草臥れ果ててしまいました。(行きのフライトが、ハワイまで6時間半、ハワイでの待ち時間が10時間、ハワイ⇒アメリカンサモアが5時間半です。また、帰りは乗り継ぎ時間が6時間でしたが、出発までにパゴパゴの空港で4時間待機したため、結局、ほぼ同じ時間が掛かっていますし、ハワイ⇒日本が、約9時間掛かりました)
アメリカンサモアでお世話になったロッジは、アメリカンサモアからの運用実績の多いKH8B/北川さんから教えていただいた場所で、「お部屋は清潔、お庭も広くて景色も素晴らしく、加えて、オーナーさん、ご家族の方、スタッフの方が皆、親切で、全く文句のない」状態で、非常に過ごし易かったのですが、私が運んで行ける範囲の簡易アンテナ設備では、受信/送信共に非常に厳しい状態で、SSBモードではほとんど交信ができませんでした。もし、SSBのみの運用のみを考えていたとしたら、4日間、「ずっと無線機とにらめっこ」の悲惨な状態になってしまったかもしれません。ですが、幸いなことに、出発前日に、頼んでおいたASUSの新型軽量パソコン(980gで、ハードディスクではなく半導体メモリーを使用しているため、移動に対する耐久性が良い)が届き、CTESTWINを組み込んで持参できたこともあって、CWが今までになく快適に運用できました。
厳しい電波状況のおりでもCWで十分な交信できたことは、私には非常に嬉しいことで、お声掛け/交信いただいたCWer各局には、心からお礼申し上げたいと思っております。ありがとうございました。
以下、多少細かくなりますが、順を追って状況を書いておきたいと思います。
日本からアメリカンサモアに行くには、ハワイ(ホノルル)で飛行機の乗り継ぎが必要です。通常、ハワイへの飛行機は、日本出発が夜7時から9時頃、ホノルル着が朝の6時頃で、この時間は日本時間では夜の1時に当たります。空港到着ロビーの団体出口側に出ると、日本の有名旅行社が軒を連ねて窓口を開設しており、その先に車(シャトル)が並んでいて、街へ送ってくれます。これは非常に便利なシステムなのですが、私の場合は乗り継ぎonlyのため、夕方4時まで、其処で待たねばなりません。(待ち時間が10時間です!)
当初、これでは時間が勿体ないと考え、ビックリドンキーさんに、重い荷物のデポとダイヤモンドヘッドへの観光ツアーなどを検討してもらったのですが、結果はペケ。
ALOPA何々という現地のツアー会社が荷物を預かってくれるらしいというネット記事を見つけ、最悪、それを頼もうかと考えていたのですが、幸いにも、ハワイ⇒アメリカンサモア間の乗り継ぎ先になるハワイアン航空が、朝の6時半でもチェックイン業務を行ってくれており、ことなきを得ました。その結果、チェックイン以降は、身の回り品荷物1個(ザック)で行動することができました。
総じてハワイアン航空はアットホームな感じで大変親切で、非常にありがたく感じました。窓口で対応してくださった男性スタッフも、非常に感じの良い方でした。
ホノルル空港は非常に大きな空港です。アメリカ本土、日本や韓国、中国、シドニー等々から飛行機が来ますので、空港設備も大がかりです。
で、荷物を預けたJST2時頃は大変眠かったので、空港のベンチで仮眠をし、それから5時間ほどは、真珠湾まで徒歩で歩いて往復して時間をつぶしました。(この辺りはNAVYの管轄のようで、うかつには写真は撮れないと思います。第二次大戦で沈んだ戦艦の記念碑のある辺りまで行き、山など、少しだけ写真を撮って帰りました)
ホノルル空港は大きな空港ですが、GATEを入らないと店がほとんどなく、スタバとバーが一件ずつあるだけで、日中は写真のように閑散としています。込み合っているのは、ハワイ島内のドメスティックラインが多いハワイアン航空のカウンター廻りのみ、コーラなどの自動販売機も、全ての場所を探しても3台しかありませんでした。これには大層驚きました。
9・11以降、厳しくなったセキュリティ対策のためのようですが、「街に行くか、乗継ぎか搭乗なら早めにセキュリティ検査を受けて、ゲート内で待つように」というコンセプトのようです。ゲート内には店がいっぱいあり、日本庭園も造られていました。
[当初の計画]
ハワイとアメリカンサモアを結ぶ便はハワイアン航空1社のみで、通常は月曜と金曜しか運航がありません。そのため、QRVは3日か7日かを選ぶことになり、当初は3日で考えていたのですが、たまたま1/7にクリスマス特別便があったため、今回は5日間の計画を立てました。(最終日は泊まらないのですが、ハワイへのフライトが夜11時過ぎなので、レイトチェックアウトの対応をしてもらいました。ですが、予備日と考え、アナウンスは4日で行いました)
アメリカンサモアは、ハワイから飛行機で5時間半ほど南に行った場所にある島で、島の北側には400から650m位の高さの山が並びます。また、島の北側の海岸はクリフで、住むのには適さないとのこと。今回、お世話になったロッジは空港から車で20分ほどの場所にあり、「タートル&シャーク」の伝説のある入り江からすぐの場所で、島で言えば、南端辺りに当たります。(地図上で、Vailogiとある場所)
今回はそうした地形的な状況もあったためか、日本やアメリカ、ヨーロッパなど、北半球向けには、電波の状態は余り良くなかったのかもしれません。
[アンテナ設営状況]
写真のように、ロッジのお庭の隅にシングルデルタループを設置し、10MHZのワイヤーはベランダの柱に釣竿を固定して、そこからワイヤーを庭の端のヤシの木に向けて伸ばしました。シングルループの手前に、微かに黄色い線が横に走っていると思います。
シングルループアンテナはカップラー調整で各周波数に対応させているため、雨のときはちょっと困ります。今回もほぼ毎日、日中に3回くらいドシャブリ状態の時があり、その時は周波数チェンジは諦めました。
[SSB運用]
日本時間で9日の朝にアンテナを設置し、スーパーに買い物に行ってきてからワッチに入ったのですが、21MHZ/18MHZともに非常に信号が弱く、とりわけJAは厳しかったです。日本本土局同士で59のシグナルは、JD1でも59、それがサイパン/グアム辺りでは57くらいになり、更に離れてVK9L/VK9Nでは54くらいです。今回は更に厳しくて、「音はすれどもSメータは振れず=50」の状態でした。こちらでは喋っている内容は識別できるので、CQを出している局を狙って応答してみるのですが、日本ではお互い59でやり取りしているような状態で、50の海外局は取ってもらえません! また、JAも片方の局が聞こえるのがやっとの状態でしたので、とても交信という感じにはなりませんでした。
4日間を通じてSメータを振って聞こえていたのは、VKかZLの局、また、その時期に運用されていたパラオの局(T88RR局)ですが、パラオでは私もそうなように、アンテナをJA/ヨーロッパに向けて運用しており、こちらに向けてくれることはまずありません。何度か声も掛けてみたのですが、掠ることもなく、早々に諦めました。
また、日曜日には21MHZでオーストラルから発信しているTX5WのWとの交信が聞こえ、声を掛けようと思ったのですが、「ノースアメリカのみ」。粘って最終日には18MHZで見つけたので、「WTHOUT ノースアメリカ」と来た瞬間に、その前に応答のあった周波数で声を掛けてみたのですが(+5~10KHZの指定でした)、0COまでは取ってもらえたのですが、どうしても駄目でした。
私の英語は日本人英語に聞こえるようで、AH0COストロークKH8と言っているのですが、JH0COになったり、JH8COになったり、相手の方には辛抱強く聞いていただけたのですが、結局交信不成立でした。
今回交信できたのは、JA局は2局のみで、あとはVK/ZL/VK9L/XE2でした。
(空中線電力は、無線機能力いっぱいの200Wでした)
部屋には非常に綺麗な机が用意されており、それを遣わせてもらいました。あんまり表面が綺麗で、傷を付けたら困ると思って、敷物を敷いてその上にリグとかパソコンとかを置きました。アンテナ含め、右手に映っているスーツケースに収めて移動しており、これはVK9L、VK9N、JD1も同じです。
ちなみに、アメリカンサモアの電源はアメリカですので、AC110Vです。日本のコンセントがそのまま使えます。大変、便利です。
[CW運用]
昨年11月にFKで運用した際に、「コンディションが厳しいときは、寝ているのではなくてCWが良い」というのを経験しており、今回はすぐにCWに移りました。結果、初日は金曜日だったにも拘わらず、18MHZで232局の方と交信ができ、大層嬉しく、また、ホッと致しました。(お金を掛けて出かけているので、交信ゼロで帰るのは非常に辛い) また、フェードアウト後は10MHZで運用しました。
(CWは基本的に100wで、と、思ってやっていますが、今回はアンテナ試験も兼ね、160wまで伸ばして運用しています)
翌日以降は、21MHZ/24MHZで運用しましたが、やはり18MHZが一番コンデイションが良い感じで、SSBのシグナルも一番よく聞こえており、その時々の時間に合わせて周波数を選びました。10MHZは運用局が限られているのか、私の電波が非常に弱くて聞こえないためか、ほとんどCQを出しているだけ、の状態が続きましたが、それでも実績を残せて満足です。(アンテナが2.5mHで、非常にプアー。ちなみに、出発前にコンデンサ交換をして、160W運用でも無事、マッチングBOXは動作しておりました)
そうした中、トピックスとして、JK1TCV局がQRPで呼んできてくださり、2バンドで交信ができました。向こうの出力は5Wですが、しっかりと聞こえ、CWは凄いなあ! と、改めて思いました。TCV局には、大変、感謝しております。
[羨ましかったCWオペレーション]
日曜日の午後に、18MhzCWでパイルになっているチャンネルがあり、少し聞いてみました。パイルになっている相手はJS6SVV/6局です。どちらへの移動かは分りませんが、WPM23~24くらいの速度で、打鍵が非常にリズミカル。相手のコールサインを打つ時も小気味よければ、5NNを打つ時も、非常に良い感じです。また、それに応答する各JAオペレータが、皆さん、上手い! これには驚いてしまいました。
今回は私もコンピュータを持参し、CTESTwinで遣っているのですが、とてもこの速度のようには対応が出来ません。聞いている感じ、コンピュータ使用ではなく、手で打っている感じで、ときどき間違っての訂正が、また、絵になっているのです。大変、羨ましく思いました。
手で打っている場合、これだけ早いと、記録をどうされているのか分りませんが、私にはこの速度はとても無理。いつか修行していったら、こう成れるのかなあ? と、思うくらいの速さでした。或いは、全部音で記録して後からログ整理するのかもしれませんが、秘訣をお聞きしたいと思っております。
[XR0YJ]
この時期、JA3AYOさんのチームがイースター島からQRVされており、アメリカンサモアでも信号は入感しておりました(500Wだったようですね)。よく聞こえているのですが、「JA PLEASE」で、パイルになっているし、待ちきれずに諦めました。(実は現地にいるときは、このコールサインを聞いてもイースターとは思い出せず、XR0って何処だろう? ミャンマー辺りかなあ・・・とか、思ってました)
JA3AYOさんのHPは、よく、見に行っております。海外QRVの参考にさせていただいております。
[全般的に]
先に述べましたように、当初は5日間の運用を考えていたのですが、最終日は元気が出ず、オーストラルとの交信ががダメだったこともあって、運用は早々に辞め、散歩に出て写真を撮ったり、スタッフの方とお話したり、テレビを見て過ごしました。
バケイションでは、1週間ほどの日程で運用される方が多いかと思いますが、私の場合は疲れやすい体質なことと、海外では食事が厳しいこともあって、長いステイは体調維持が難しく、以降の計画は、やはり3日間運用がベターかなあ、と、思っております。
左の写真は、ロッジの庭から見える風景です。Larson's Cove で、今回宿泊したお部屋の名前にもなっております。当初は、この写真でQSLカードを作ろうかと思っておりました。
ロッジにはテニスコートもプールもあり、私のような目的でなければ、素敵なリゾートロッジということになりましょうか?
もしQRVをお望みの方があれば、アンテナに工夫をされるのがよろしかろうと思います。携帯アンテナは、性能には限界があると感じました。