【計画】
春に行われるCQ-WPXコンテスト(SSB)は好きなコンテストなのですが、SSBはいつも全然飛ばないので、JAに近い場所でないと楽しめません。それで今回はマーシャルへ。一時期、デング熱が流行したそうですが、ようやく少し落ち着いたかな? と思っての出発です。(でも、注意は怠らないようにしないといけません)
今回はコンテスト主体のつもりです。20mのFT8運用にもトライします。
Mainly CQ WPX Contest SSB , 20m FT8 also .
現地政府からの連絡で、免許は本人が向こうに着いてからでないと発行できないとのことで、22日の朝、免許を受けに事務所に出向きました。
[Result] Total : 869 QSO
FT8: 840 QSO (20m:585 & 40m:255 )
CW : 28 QSO (160m,30m,20m )
SSB: 1 QSO (40m)
[RIG] TS-480HX (50w~170w)
[ANT] Micro-Vert
[運用概要]
[3/21]
グアム発8:20の飛行機で、ミクロネシアのチューク島・ポンペイ島と、マーシャルのクワジェリン環礁を経由して、現地時間の18:30頃にマジュロに到着しました。日本との時差は3時間です(グアムは1時間)。「1時間半乗っては、着陸して45分休憩」みたいな運航具合で、アイランドホッピングと呼ばれています。でも、ハワイ経由よりは楽とのこと。
到着してすぐに、こちらでお世話になるMJCCの安達さんに行き会うことができ、車でホテルに直行。この日は安達さんと夕食を共にしながら、いろいろとお話を聞き、就寝です。
(写真は、宿泊したロバート・レイマーズ・エンタープライズ。2階にホテルのフロントと食堂があります。食堂は明るい雰囲気でお酒も飲め、食事も良かったです)
[3/22]
朝、安達さんの案内で、免許を発行してくれる[MINISTRY OF TRANSPORTATION AND COMMUNICATIONS]の事務所に行って、ライセンスをいただきました。運用は滞在期間中のみですので、3/21から3/26までです。
その後、スーパーで買い物をしてホテルに戻り、アンテナを設営して、運用準備にかかりました。部屋は写真のような海の傍のバンガローで、蚊もいなくて快適です。
運用は20mから開始したのですが、CWの音がほとんど聞こえていない状態で、CQを出しても応答は皆無。なので、今のうちにFT8の準備をしておこうと思って、それを始めたら、こちらはかなり参加局が多く、結局、FT8で運用することになってしまいました。
FT8は小笠原で運用済みですが、以下の点があって、難しいモードですね。急ごうとすると、却ってややっこしくなってしまいます・・・。
1)相手局から応答があって交信が成立し、[73]を送付する段になると、Logポップ画面が出てきて、
[OK]します。すると、ログに記載され、次の動作が可能です。このとき、送信機は相手に[73]を
送っていると思います。最初はその時間の途中で、次の局をクリックしていました。残りの時間は、
別の相手をコールし、時間短縮になるのでは! と、思ったためです。ですが、このときの[73]を
相手が受け損ねると、新たな交信相手の交信中に、もう一度[73]を送る羽目になります。途中でそれ
に気が付いて、無理は辞めることにしました。
2)QSBのためかと思うのですが、今回は自分側から連続4回レポート(-07)を送ったり、当選確実!
(RRRのこと)も4回も送ったり、更には[73]送付後、相手から再度、複数回[RR73]が来て、
[73]を追加で送付したりと、かなり時間を掛けながらの交信でした。
瞬時にリカバリーの出来るCWやSSBと違って、非常に辛いモードですね。RRRで当選確実!
と一回はホッとしても、[その後6回続けて送ったのち、相手がいなくなる]という場面もあり、
都合5分程度は確実にロスしたりしました! つくづく、つらいモードです・・・。皆さん、よく
我慢して待っていていただいているなあ、と、改めて思いました。
3)それと、次の相手のコールをクリックして送信イネイブルにしておいたのに、送信し始めに、
「勝手に前の交信相手の、それも[レポート送信]に戻ってしまう」場面に何回か遭遇しました。
ここらあたりは、少しバグっぽいなあ、と感じています。(実際、私向けにも、73の後で何度も
元に戻った感じのレポートが送られてきました)
また、信号デコード時間が掛かるために(コンピュータが遅いために)、信号開始後、データを書き
直して送信する場面を何回か見ました。(時間表示が逆になる感じで、気が付きました)
この辺は、もう少しFT8のソフトの考え方を学ばないと、上手く使えない気がします。
結局、こちらの時間で23時半頃まで運用し、遠くはM、ODまで信号が届きました。
その後、30mのCWに出てみたのですが、非常に厳しくて蚊の鳴く声です。こちらは2局の実績でした。
[3/23]
朝方、日の出前に160mを運用しようとしたら、ざんざん雨が降ってきてアンテナ周波数がずれ、あれこれ調整しました。その後、大風でポールが倒れてしまい、コイル部分から上が海中にドボン。慌てて引き戻して立て直したのですが、今度は周波数調整中に、ポールの先から3m付近のところでポキッと折ってしまいました。いやあ、何とも・・・。頭はビビシャビシャになるし、雨+風は辛いですね・・・。
(右の写真のような具合に立っています。20mと40m用の二本)
その後一眠りして、お昼から20mでWPX-SSBコンテスト局を探し始めたのですが、インドネシアと台湾の局が、体感で53以下で聞こえるのみ(3回くらい聞かないと、コールサインが分からないレベル)。お相手のJA局はほぼ聞こえません。このところのコンディションだと、夕方までは駄目なようで(サモアの佐久間さんから教えていただきました)、暫くはFT8を続けることにしました。
また、どうか今日はインターネットの具合が悪く、ロビーに出向いてメーラー等、使いました。
結局、午後はFT8にトライしました。待ってもらう局が多いので、なるべく多くの時間をこのモードにと思っての対応です。兎に角FT8は時間がものすごく掛かり、ずっと画面を見ながらの対応で疲れました。夕食を安達さんとご一緒して、昨日と同じ時間に終了です。
[3/24]
疲れが溜まったのか、午前中はずっと寝てました。起きたらコンテスト開始時間はとうに過ぎていました。ポールを折ってしまったので、その後片付けをし、また、残った部分で40m用のアンテナを立てるべく、ずっと作業をしました。今借りている場所は海岸の岩の上、みたいな場所で、長さの長い垂直ポールは1本しか建てるスペースがありません。それで80mは諦めることにして、40m用のみを建てました。運用開始は、結局、こちらの時間で18時頃からです。
20mでコンテスト局を探すも、ほとんど聞こえません。聞こえたのは、B局が2局、YB局が1局、JAが数局・・・。他はコールサインも判別が難しい。いずれにも、何回か呼んだのですが、最後の[NC]は取ってもらえるものの、他は全然わからないようで、全くの[問題外の外]でした。それで結局、FT8に戻って運用を続けました。ときどき画面ウォッチを休んで、SSBコンテストにも出たのですが、超有名日本のコンテスト局にもプリフィックスが取ってもらえず、結局、コールサイン間違いになったのでは? と思います・・・。
深夜になってから20mから40mに切り替えたのですが、こちらの方が多く呼ばれましたネ。
(今回で遂にSSBコンテストには懲りて、今後、それ目的の移動運用は辞めようかと思っています)
40mFT8では毎30秒ごとに10局程度のV73NC宛受信があり、コンピュータ画面の右半分は真っ赤っか、しかもどんどん上に流れます。誰が誰だか把握できないくらいに、あれよあれよと上に行きます。
ところが困ったことに、今日は送信時に「コンピュータのカーソルが動かない!」状態に入りました。
CTESTWIN運用時にも、ときどきそういうことがあるのですが、今日は完全に動かなくなり、ほぼお手上げでした。画面のクリック機能の[送信停止=HAULT]も全然使えません。どうしてなんですかね? もしかすると、コンピュータの処理能力が手一杯なのでは?という気はするのですが、少しだけ動くときもあり、その辺、よく分かりません。
更に困ったことに、ログは前回の小笠原での運用の後ろにくっ付いている追加記入形式です。或る方の説明書に、別のファイルができるらしいことは書いてあったのですが、いろいろとやってみてもできません。
それに、色付けで判断している[局のDUP確認機能]は、複数コールサインでの運用の場合、全く役に立ちませんし、交信数が増えるとコンピュータは無駄時間をそれに食っているのでは?という気もします。
それと、昨日からインターネットがすぐに切れてしまい、そのたびに、「暗証番号入力画面で入れ直し」をしないといけないし、何分も掛かる。なのに暫くするとまた切れてしまいます。これにも参りました。
結局、40mのコンディションが持つうちになるべく多くの局と、と思って、日本時間の朝の4時頃まで粘って運用しましたが、ほとほと疲れてしまいました。
40m運用中にはドシャブリの雨に遭い、アンテナSWRが3以上に上がってしまって運用できなくなり、その対応にも追われ(一旦アンテナを下してアンテナを外し、濡れたコイルを乾かして、雨の上がるのを待って再度アンテナを設置)、ドタバタの一日でした。
[3/25]
今日は日曜日で、最終日です。FT8でだいぶ頑張ったので、もうそろそろ終了でも良いかな? と思い、安達さんの案内で島内を見学して回りました。
戻って食事後、撤退準備を開始しました(SSBはまず、取ってもらえないし、外国の方の発音が判別できず、コールサインもナンバーも、この状態では上手く把握できないこともあって)。午後は暫く睡眠を採り、18時過ぎに安達さんのお宅でソバ!をいただいて帰りました。
その後、40mでなるべく運用をしようと考え、JA時間の17時頃から22時頃まで運用しました。少し慣れて来たこともあり、今日は快適にQSOが進みました。(送信時にカーソルが動かないのは同じです。Wの東海岸に届く時間帯もあり、非常に楽しく運用ができました)
運用後、夜も遅くなったのでアンテナを片付けて、帰国準備に入りました。
[ライセンスについて]
マーシャルでは、免許を受ける人がマーシャルに到着してからでないと免許がおりません。私は事前にいつもの書類セットをMJCCの安達さんに送り、準備をしておいてもらって、到着日の翌日に受け取りに行きました。とてもしっかりした免許で、使用許可周波数、電力、エミッション・モードが書かれ、1GHZ以上の場合の注意も示されています。ライセンス発行については、無料とのことでした。
(写真は、事務所と、タワーに設置されたアンテナ)
[MJCCについて]
今回お世話になったのは、日本に本社のあるMJCCという会社に勤めておられる安達さんです。若いころに3年ほどマーシャルに滞在され、定年されてから、こちらに勤めておられるとのことで、会社の前で写真を撮らせていただきました。とても親切に対応下さり、心より感謝しております。
下に、会社の玄関わきに立っているタワーと八木の写真を載せます。50MHZ用かと思います。右は、免許をいただいたところの建物に立っていたアンテナです。
[運用場所候補]
マーシャル(マジュロ)では今回私が運用したRREの他に、アイランドリゾートという立派なホテルがあり、普通に旅行者が泊まれる場所はこの二つだけだそうです。以下に写真を載せますが、アイランドリゾートは大変大きなホテルで、数年前にJAの方も運用されており、今回もその方に情報をいただいたこともあって最初はそちらを候補にしました。ですが、彼らの運用の後で台風の影響で設備が改装され、アンテナ設置をするのが難しくなっており、海岸縁にあったプールも無くなってしまって、小ホールになっておりました。(日曜日に安達さんと見学に行きました)
海岸に出ている艀状の廊下はアンテナを建てるのはもってこいの場所ですが、現在は立ち入りしないように入口が封鎖されています。(交渉次第でアンテナ設置はできそうに思いましたが) 昔はこの艀の先の海の上に舞台があって、バンドの生演奏が行われていたそうです。
今回私が運用したRREでは、大きなアンテナは建てられません。なので、もし大型のアンテナでの運用を希望するのであれば、まずはMJCCさんに相談なさるのが良いと思います。ホテルではない「事務所」的建物も、借りられる可能性があるとのことでした。
[チョークコイルの故障]
今回は、二つ持参したチョークコイルの一つが、最初から「内線と外皮がショートした状態」で使えませんでした。ハンダゴテがなく、芯線をMコネクタに無理やり巻き付けて使用したりもしたのですが、出発時の点検が十分ではありませんでした。反省点でした。
(JD1で運用した際に、4時間くらい連続して運用したらSWRが上がる現象が起き、チョークコイルが発熱しておりました。それが原因かと思われます)
[インターネット]
今回は、ホテルでチケットを買ってユーザー名とパスワードを貰って運用する形式でした。24時間で15ドルです。最初は、ログアウトをすると時間が停止する、と説明を貰ったのですが、実際は24時間で切れてしまいます。結局、4枚チケットを買って運用しました。ちゃんと動きますが、ときどきグズって駄目な時間がありました。(結構長く続きました)メールを見る作業もあるので、この頃、インターネットは必須化していますが、1つのコンピュータで運用しようとすると、FT8運用時は少し厄介に感じました。これからは、何か工夫が必要に思いました。
[観光編]
観光とはいっても、海に出てボートで他の島に出るようなことでもしなければ、特に大きな名所があるわけではありません。マジュロは環礁で、大きな内海の周りに細長い礁がある地形で、環の幅の広いところに人が住み、家や会社の建物やスーパーなどが立っています。港湾施設が多いです。下に若干の写真を載せます。
なお、ここで一番の食べ物は、マグロの刺身です。今までの人生で、あんなに柔らかくておいしいマグロは食べたことがありません。でも、すごく安かった。ここは戦前、日本の統治領だった場所だそうで、日本人の人も多く住んでいたとのこと。日本の生活習慣が残されているそうです。(RREのレストランの食事が上手くて、食事には何も問題はありませんでした。スーパーも歩いて出かけられる場所にあります)
※追記
今回は、グアムではQRVはしませんでした。
帰りのグアム⇒成田便は、小型の737でした。聞くところによりますと、例の或る国の高速飛翔体実験のアナウンスのおかげで、グアムへのお客さんが1万7000人もキャンセルとなり、一時期、航空会社/ホテルは大変だったようで、その時から航空便も縮小されたそうです。グアムは観光のみが大きな産業です。平和が維持されないと生活ができません。平和を心より願います。