[Results]
Oct/10-11 Oceania Contest CW
⇒14MHzCW=24 21MhzCW=70 28MHzCW=4
Ordinary QSO
⇒14MhzSSB=1 21MhzCW=1 14MhzCW=3
Oct/12 Island tour
Mainly to the National Park !
Oct/13
14MHzCW=1 , 18MhzCW=72 , 21MHzSSB=76
※JA=79%
[Rig] TS-480HX
[Antenna] Single Derla Loop
[QTH] Lindsays of Kangaroo Island (Penneshaw in Kangaroo Island) Grid:PF84xg
[Comment] Condition was not good , SN=11 . But , TX3X was very strong !
※Thank you very much for nice QSO to all stations .
[計画]
2年に一度、南オーストラリア政府の主催で「World Solar Challenge」 というイベントが開催されます。大陸の北にあるダーウィンの街から、南のアデレードまでの3000km=スチュワート・ハイウェイを、太陽の力だけで走り抜けようという催しで、世界各国から、各チーム自慢のソーラーカーが集まってきます。1987年に第一回大会が開催され、今年で13回目を迎えました。(私も1990年から3回参加し、一度は完走ができました)。
大会期間は1週間、今年は10月18日(日曜日)にスタート、24日がゴール締め切りで、翌日曜日がパレードというスケジュールになっています。
ダーウィンを出発すると、トップ集団は時速100kmで、アデレード目指してまっしぐら。遅い車は平均40kmくらいなので、大会期間中は差がつくばかり、全車を見られるのは出発前の実走行車検の時と、車がスタート地点についた時だけです。
懐かしいダーウィンには、一度は行ってみたいなあ、という気持ちがあり、17日と18日を見学に充てるとして、その前後で無線旅行を考え、飛行機の乗り継ぎを考えて、当初はナウルに行こうかと思っておりました。
ところが、ナウルは情報が少なくてライセンス取得が難しい上に、入国のためのヴィザの取得も難しいとのことで、あれこれ迷ううちに、あっという間に期日が迫ってしまい、結局、大陸内でのQRVとなりました。
僅か3局との交信でしたが、VK8は1990年にソーラーカーモービルでQRVをしているので、今回は違う場所を考え、IOTA的には本土とは別扱いのカンガルー島を選びました。
10月24、25日を選ぶ方法もあったのですが、CQWWは却って難しいと考え、いつもお世話になっているオセアニアのコンテストに参加すべく、10月10日運用のスケジュールとしました。
写真は、今年のソーラーカーの車検後の1コマです。大層賑わっていました。
[運用概要]
今回は、DXペディション的な意味合いの場所とは違い、ほとんどバケイション的意味合いの場所です。QRZ.COMにコールサインを載せただけでDXニュースにも載ってしまうVK9やZL7とは違って、少し気が楽。また、どういう訳か出発前から躰のあちこちの筋肉が固くなっていて、調子も良くないので、今回は休み休みしながら、運用しようと思っておりました。
宿のお庭にいつものループを立てて、10日の夜、14MhzCWから運用スタートしました。
「オセアニア コンテスト」
昨年はV63からSSBでこのコンテストに出たのですが、結果が送られてきた際に、事務局のコメントに、「いろいろなカントリーからQRVがあり、盛り上がりがあって感謝している」旨の話があり、海外運用オセアニア担当の一員としては、今年も何とかQRVをしたかったのです。
9日の夜は、だいぶ風が吹き(こちらでは南風=寒くなる)、運用途中で何度もアンテナがひっくり返って、SWRが突然上がってしまう状態のため、夜のQRVは断念して、眠ることにしました。今回もブリスベン経由で来たのですが、あの飛行機の場合、夜中の11時過ぎに夕食が出て、少し寝て、朝の4時には朝食が出るスケジュールで、どうも休めません。それに、乗り継ぎ後のアデレード行きも短いフライトで眠りが不足になってしまい、結局、疲れもあって寝てしまいました。
11日は、SN=11という状態で非常に厳しく思いましたが、何とか信号は届いており、3分から5分に一局程度ののんびりペースでQSOが進みました。この日はJAでは全市全郡のコンテストが行われており、そのCQに間違って応えてしまった失敗もありましたが、参加局が少ないようで、或る決まった範囲がオセアニアコンテスト参加局の良く出るエリアになっているらしく、その後は無事に運用できました。
のんびりだったので、途中でSSBに移ってTX3Xを呼んでみたのですが、無事に取ってもらえました。また、SSBでは、JAのコンテスト信号がワンワン聞こえるかと思っていたのですが、全く聞こえませんでした・・・。これには驚きました。
1990年にダーウィンで21MHZを聞いた時は、日本語のラグチューが59+で聞こえてきました。アンテナは、ソーラーカーのアルミフレームに取り付けた2mのホイップでした。50wで送信したものだから、小さなバッテリーはすぐに熱くなってしまい、QSOは3局のみです。(バッテリーは12V3AH)
1990年はサイクル22のピーク辺りだったので、コンディションも良かったと思いますが、今回は、コンデイションの厳しさに加え、運用場所がダーウィン辺りよりも3000kも南に位置しており、JAが大分遠いのが、大きな理由かと思います。
トータルで100局はQSOしたいと思ったのですが、わずかに届きませんでした。
13日は21MHZSSBで出てみたところ、JAが開けて多くの局と交信が出来ました。信号は強くはなかったですが、十分に聞こえてきます。また、こちらの信号も日本に届いているようで安心しました。昨日まで英語でばかり喋っていたので、久々に日本語を話すだけでも嬉しい気持ちが湧きました。写真は、今回のアコモデーションです。目の前に海が広がり、海豚も来るそうです。オーナーさんに写真を撮ってもらいました。
(オーナーさんはとても親切で、日本びいき。日本にも仕事で2か月ほど滞在されたそうです。部屋に東海道五十三次の絵が飾られていて、びっくりしました)
[観光編]
人口が都市に集中するようになると、僻所は産業もなくなり、唯一持つ財産は自然だけ、可能なのは観光産業くらいになってしまいます。豊かな自然は喜ばしいことですが、そこに暮らす人のことを考えると、少し大変でも、誰かが出かけて行ってお金を落とすことも必要です。
カンガルー島は、長さ155km、幅55kmと、オーストラリア大陸沖で3番目に大きい陸地だそうですが、人口は少ない。今回は、SEALINK主催のバスツアーに参加しました。写真は、フリンダース・チェイス国立公園のユーカリの林です。高さが10mを越える木があって、コアラが棲んでいます。
写真は木の上のコアラのお母さんです。小さな子供もいました。普通はもっと高い枝にいて、小さな写真しか撮れないくらいですが・・・。
今回のツアーは月曜日だったのですが、25人くらいの参加があって驚きました。費用換算からすれば、1日のバス1台で、40万円くらいの売り上げでしょうか?
また、南米ペルーからのお客さんが来ていて、これにもビックリ。お話をしたマルタさんの話では、ペルーはスペイン語だそうですが、彼女は英語も大変、お上手でした。挨拶程度は日本語も分かる。すごいなあ・・・。
南米の人は陽気です。こういう人に会えるのが、旅の楽しみです。
ツアースタート時に一人で窓側の席に座っていたら、隣に若い女の子が座ったので、お話をしてみました。メルボルンの大学に留学して卒業したばかり、少し観光をしたら、本国に帰るそうです。中国の人でした。
4歳からピアノをやっていて音楽大学を出たけれど、小学校の先生になるのは自分としては気が進まない。こちらで会計を勉強して、帰ったら就職するだろうけど、もっと旅がしていたい。パリやデンマークに行っている友達が羨ましい。でも、両親は家に帰って、結婚してほしいと思っている。早くベイビーの誕生を見たいと・・・。
そうなんですよね。親の思うことは、世界中どこでも一緒。
お金がいっぱいあって、世界中旅行できても、それが幸せには直接結びつかないです。
人間、生きる目的が何かと問うても、結局、良き伴侶に恵まれて家庭を持って、子供を設けて大切に育てる。それが基本で、突き詰めて言えば、それが人生です。他はすべて、それを支えるもの。
何か学問的/経済的に立派な業績をあげても、それだけでは寂しい。世界中を旅する旅行者は、或る意味、いつでも孤独です。それが多くの人のための、人生の主目的になんて、なるわけがない。
とてもチャーミングな娘でしたので、来年の今頃は、素敵な男性を見つけて、幸せになっていることと思います。
写真は、シール・ベイのアシカ君です。ひねもす、寝ている感じ。幸せ感、ありますよね!
カンガルーがいました。こういうところで、のんびり暮らしている。観光客以外はほとんど誰も訪れない場所。こういう場所があっても良いものです。
日本も過疎化になったら、どこか広大な場所を、動物の棲むエリアにしたらい良い。一県くらいの大きさで、そういうところがあっても良いのではと、思いませんか?
日本は経済効率最優先の国で、空いている土地を許さない。本来、そんなことはないはずです。
人類がまだアフリカに15万人程だった頃は、世界中が動物たちの楽天地だった。歴史上、人口は一方的に増大してきましたけれど、いつかはそれも収斂するだろうし、或は減少に転じるかもしれないし。熊さんも狐さんも鹿さんもお魚もネズミも狸さんも鳥さんも、人間という生き物に煩わされずに暮らせる場所があっても良いと思うのですけれど、いかがでしょうか?
14日の朝のフェリーで本土に戻ったのですが、フェリーには羊君たちが同乗しました、トラックの荷台にその姿が見えます。一番上だけが見えてますが、実際は4段です。いい子ちゃんで乗ってます。カンガルー島で育って出荷されるのでしょう。彼らの運命もまた・・・。
400頭くらい乗っていたと思うので、輸送中に何かあったら大変です。運転手さんの気苦労も大変なものです。
フェリーを降りてバスに乗り継ぎ、アデレードに向かいます。車窓に広大な景色が広がります。車道の反対側には丘が続いていて、ワイナリーのあるヴァレーが沢山あります。車道脇も、素晴らしいブドウ畑が広がっていたのですが、どうも上手い写真が撮れませんでした。今日はどうも眠くて仕方がないです。
アデレードの街には既に4回行っているのですが、今回初めて中華街に行ったり、街中をゆっくり歩く機会がありました。凄く大きい訳ではないけれど、歴史のある街、という印象です。ブリスベンやパースよりも落ち着きが感じられました。
写真は街のほぼ真ん中のスクエアからの景色です。市電やキャブ形式の自転車も走っていて、お洒落な街の印象でした。パースやブリスベンのような急坂もなく、広い平地に、綺麗な設計図を描いて作った街、の印象です。
[番外編 2015WSCの話題を少し]
15日のフライトでアデレードからダーウィンに移動して、WSCに参加するソーラーカーの車検を見に行きました。会場は市内から15kmほど離れていますが、朝から歩きました。4時間程かかった。
写真は前回優勝のオランダのチームが作った2015年版の「NUNA8号」、今年も優勝候補です。
日本からは、東海大学、工学院大学、名古屋工業大学、呉港高校、金沢工業大学の5チームが出場しています。それぞれがそれぞれの目標の通りに、完走してほしいですね。18日朝に出発風景を見てから、シドニー経由で帰国です。
[独自性のあった工学院の車]
WSCにはクラスが3つあり、一人乗りでスピードが出る「チャレンジャー・クラス」への出場車が多いのですが、工学院大学は、より実用車に近い「クルーザー・クラス」にエントリーし、写真のような車を制作してきました。(既に関連番組がNHKでも放送されたので、ご存じの方も多いかと思います)他の車にはない独自のデザインだったので、紹介したいと思います。
ソーラーカーの場合、限られた電気量でスピードを競う訳なので、空気抵抗が低いことが重要です。空気抵抗は、前面投影面積*空力係数で示されますが、二人乗りだと前面投影面積を少なくするのは難しく、如何に流線形に近く作って、空力係数を下げるかが課題です。
飛行機の翼が抵抗が少ないことは良く知られますが、車の場合、人が乗る訳ですから、翼の形状のままという訳には行かず、そう簡単には形状が決められません。工学院では、70名を越える部員を幾つかグループに分けて、まずは案出しを行い、デザインコンペを行って、その案を絞っていったそうです。無論、大勢の前での発表がある訳ですから、説得性の高い説明資料を準備なければなりません。コンピュータでのシミュレーション結果を示して性能をアピール、選考も何度か行われたとのことでした。
最近では、空力の計算には、CFD(コンピュータを使った流体計算手法)が使われます。外観をコンピュータにインプットするところから始まり、形状が出来上がったところで計算に掛ける。結果が出るまでに数日掛かり、これを各チームのグループ員が昼夜兼行で交代でコンピュータに付いて継続し、何十種類もの案を検討したそうです。
また、空力も大事ですが、面積に制限のある太陽電池の総出力が減るようでは、エネルギー不足で走れないわけですから、如何に効率の良い発電が出来るかどうかも検討しなければなりません。その計算に対して、彼らは、3000kmを走った場合の太陽の角度と想定される発電量を全てコンピュータにインプットし、そのデータから、その車のデザインでの総発電量を計算したそうです。
最終デザインが決まったら、軽量で強度のあるカーボン繊維で車体を作ることになるのですが、4m*1m*1.3mほどもある大きな型を作るところから始まって、その型に沿わせて繊維を張り、樹脂で成形するところまで、すべて自力で遣ったとのこと。(設備はプロの会社の設備を使い、成形の遣り方を教えてもらってからスタートしますが)この話を聞いて、感心してしまいました。
会場での学生さんの目は輝いていましたし、先生の指導も素晴らしい。車の出来も素晴らしく、表面の艶も見事なくらいの出来映えで、車体の下面や太陽電池を貼っている上面などは、生物を思わせるような芸術的な曲線の出来合いになっていました。
この記事を書いている時点で、彼らはクラストップでスチュワートハイウェイを走っており、チャレンジャークラストップの車両の、8割ほどのスピードを維持している。これには本当に驚きました。