カナダの山はカナディアン・ロッキーが有名ですが、行く前はほとんど何も知りませんでした。一般者向けのツアーに「アサバスカ氷河を雪上車で観光する」というのがあって、アサバスカという名前もそれなりに有名かとは思いますが、よほどの山通でなければ、マウント・アサバスカも登れる山、とは知らないのではないかと思います。

　だいたい、お金を出して海外の山に登るなら、せめて4000m峰ですよね。この山は3,400mほどの高さです。

 

　カナディアン航空利用でしたが、バンクーバー乗り換えでカルガリーに着いたときは、「荷物が間に合わなくて遅れます」と言われたきり、ホテルに向かう他ありませんでした。今回は有名なアルパイン・ツアーという会社に頼んでのツアー旅行でしたので、その後の荷物の処理などは非常に上手くやっていただけ、ホテルに宿泊した翌日朝には、荷物は無事に届いておりました。

 

　カルガリーで車を借り、自力での移動です。まずはバンフへ、そこで買い物などして、途中・レイクルイーズを観光、それからジャスパーに向かいました。

　車での移動は、何せ右側通行で、非常に難しい思いをしました。真直ぐ走っているうちは問題ないのですが、一旦曲がると早速逆車線を走っている。対向車が向かってきて慌てて気づいて、というような状況もあり、何度か冷や汗を掻きました。

　時差の問題も大変です。西回りに動く場合は問題が少ないですが、東に向かうと非常にしんどい。カナダに着いてから二・三日、眠くて眠くて仕方がありませんでした。

 

　アサバスカ氷河はジャスパー国立公園内にあり、立派な管理施設があって、救助隊も常置、登山としてはかなり恵まれた条件です。山小屋に宿泊後、朝早く起きて出発、氷河でピッケル・アイゼン・ロープを用意し、3人一組でパーティを組んで登りました。

　一旦頂上とは離れた右側の稜線に向かいます。そこから尾根を伝って山頂に向かって上がるのが一般ルートです。頃合い、２級というところですね。危ないと感じるところはありませんでしたが、稜線から見えるカナディアン・ロッキーの山々は迫力があり、静かな雰囲気と雄大な景色が楽しめました。

　パーティの中に山スキーでトライした人があり、彼は山頂からスキーで掛け下りました。一度だけ態勢を崩して、あわや、という時がありましたが、無事に下までたどり着きました。

　アサバスカは海外登山としては地味ですが、成功率は高いと思います。

 

　山の後は観光が楽しみです。主目的は達しているので、残りは気が楽！　古いお城（今はホテルになっている）も見に行き、カナダのマッターホルンといわれる「アッシニボイン」も見に行きましたが、山は残念ながら雲が多くて見えず、またいつか、ということになりました。

 

　カナディアン・ロッキーには、ハイキング用のトレイルは数えきれないくらいあります。そこを歩くのも良かろうかと思います。

　一つだけ怖かったのは、最終日はテントキャンプでしたが、クマ！（グリズリー）が怖くて、私は窮屈な姿勢で車の中で寝ました。他の何名かのメンバーはテントで寝てましたが、勇気があるなあ・・・、と思いましたね。