その昔、川崎に居る頃、Ｌ字型のGPを試みましたが上手く行きませんでした。垂直系のアンテナは、水平系のアンテナとは違って、両側のエレメントが空間に対して対象な条件では設置されないため、また、下側のエレメントが地面に近くなるがために、外からの影響が大きくて上手くことが運びません。

　MVアンテナなどもそういう性質があり、周波数調整にはいつも工夫が必要になっています。

　今回は今までの経験から実験的工夫を遣って、何とか実用に漕ぎつけました。

　味噌は、’下側エレメントの末端が、地面や他の物から離れている’こと。

　特に、給電線に下エレメントが近づくと同調に影響が出ますので、その点に工夫が必要です。

　一人でアンテナを設置する条件で考えると、ポール長さは7m以内くらいが妥当です。なるべくなら水平方向にラジアルを張りたくないし、ポールは自立が望ましい！

　これをアルミパイプで実現しようとすると、φ25位が適当ですが、あいにく近所では売っていないし、2m以上の長さのものは運搬も難儀です。

　手元にφ16の2mアルミパイプが2本あったので（50年前に作った21MHZ用HB9CVのエレメント）、何度かそれで工作を試みたのですが、弱くて撓ってしまい、立てたり倒したりするうちに延長部分の細いアルミパイプ（φ8）が曲がってしまって都合が悪く、また、下エレメントの固定に屋根馬＝金属からの絶縁が必要で、その部分の部品がどうにも弱弱しくて諦めました。

（φ25のアルミパイプがVP25の水道管にちょうど嵌るので、新規に買い物するならその方法が良いと思います）

　今回はペディション時に使っていた5m長さの釣竿にVP25水道管2mを足して、ポールとしました。

　構造は左図です。黒がエレメントで、水平DPで使っていたACケーブル。●が給電部位で、地上4mほどの高さとなりました。

　当初、給電線とエレメントをチョークコイルで高周波絶縁すれば、ラフな造りでも良いかと思っていたのですが、実験的にはペケ。下ポールにアルミパイプを使ってパイプの中に同軸を通す方法もペケでした。最終的に、下エレメントの末端を、給電線から40cm離す構造にしたら、安定的に使用できるものになりました。

　●ポイントにバランもチョークコイルも入れない状態で、SWR=1.2~1.3程度。1.6以下を実用と考えると、帯域幅は600~700KHZ程度あります。暫くこれで運用してみたいと思っています。（チョークは、購入出来次第入れる予定）

　VP25水道管は熱で曲がりやすく、太陽が当たる側が伸びてしまいますが、ここ暫くはそれで様子を見る予定です。写真のように、屋根馬のすぐ上の部分で横に枝を出し、そこに下エレメントを誘導しています。運用中はその部分は’高電圧注意’ですね！