28MHZ用 MOXON Antenna

 太陽黒点の増加と共にハイバンドのコンディションが良くなって、28MHZは、長い時間、DX通信が楽しめるバンドとなりました。

 今まで私の自宅には5mHのダイポールアンテナが上がっていましたが、飛びも聞こえも良くありません。「もう少し性能の良いアンテナが欲しいなあ」と考え、自力で簡単に上げられるものとして、候補を二つ考えました。

 一つはVDAで、垂直系のアンテナです。以前に本誌で紹介したことがあります。もう一つは、今回紹介する水平系のモクソンアンテナです。

 

 VDAは垂直系のアンテナで輻射角が低く良いアンテナですが、性能を出そうとして屋根の上に常設すると、外出の多い私にとっては不在の際の雷が心配なので、「使う時に上げて、後は下ろしておけるタイプのアンテナ」として、水平系のこのアンテナを試してみることにしました。ちなみに、モクソンアンテナは、G6XN/ラ・モクソンさんが、1960年代に考案したアンテナだそうです。 

【構造】

 図1のように、2エレメント八木の2つのエレメントを、8割程度の長さのところで直角に内側に折り返して、ブームと平行になるように配置した形をしています。この形状にした場合、2エレ八木よりもだいぶコンパクトになって、28MHZ、もしくは21MHZ辺りでも、一人で持ち上げることが容易になります。

 割と有名なアンテナで市販もされ、ネットで設計資料なども見つけられます。一例を上げます。

The Moxon Beam by DK7ZB, moxon yagi, moxon antenna (qsl.net)

 

 図の左側のエレメントが輻射器です。エレメントが右側の物より短めになっていて、CWでは(392cm+57cm+57cm=)506cmとなっています。右側が反射器で、(392cm+73m+73cm=)538cmとなっています。SSB用はCW用よりも少し短めにします。CW用の寸法でMMANAで計算してみました。 

 下の最初の図が、自由空間の計算例、二番目が5mHの時のものです。

 

 接地面を考慮した場合は、少し垂直成分が出ていることが分かります。また、インピーダンスが50オームになっており、例の「W1JR巻きのチョークコイル付きの同軸ケーブル」を繋ぐだけで、マッチング回路無しで給電できることも分かります。

 ここで注意しなければならないのは、輻射器の給電部分はブームから絶縁して作る点です。また、反射器もできればブームと絶縁します。そう作ることによって、ノイズの影響を受けづらくなって受信性能が上がります。

【製作編】

1)ブーム

 なるべく軽量にするため、15mm*15mm*厚み1.5mmのアルミ四角パイプを使いました。その中央に二か所穴を空けて、U字ボルトを差し込めるようにします。(今回はブームそのものに穴を開けるのではなく、延長部を作って多少の移動が出来るようにしました=写真参照。

 写真では片側リベット留めになっていますが、持ち上げる時のモーメントでリベットが壊れた経験があり、このやり方の場合は図2のようなボルトで止める方法をお勧めします。

 また、末端部にL型のアルミ材をネジやリベットで固定し、エレメント支えを固定する部分を取り付けます。エレメント支えは結束バンドで止めました。

2)エレメント支え

 グラスファイバー製の釣り竿を使いました。釣り竿は結束バンドを使ってブームの

 Lアングル部に固定します。エレメントは、若干捻り気味に釣り竿に巻き付けます。3)エレメント

 市販ACケーブルを使います。5mのものでは少し足りないので、長めのものを切って

 使うか、何かの線を使って延長します。

4)給電部

 プラスチックケースに穴を空けてM型コネクタメスを取り付け、エレメントをMコネ

 にはんだ付けします。これを繰返し結束バンド等で、ブームに取り付けます。

 (今の写真は、工作途中のもの。結束バンド用の穴が開いていない)

5)輻射エレメントと反射エレメントを結ぶ紐

 電気的に導通しない紐なら何でも良いです。図のように、エレメント同士を連結しま

 す。この紐の辺りのエレメント線が下に垂れないように、紐を強く引っ張ると、釣り

 竿が撓って、輻射エレメントと反射エレメントの距離がどんどん詰まってしまいます

 ので、最初にエレメント支えをブームに固定する際に、少し外側を向くようにしてい

 ます。 

 

 工作具合は写真を参考にしてください。 

 実際の形状は真四角ではなく、ほんわりとエレメントが曲がった下図のような感じに出来上がります。引き込みする同軸ケーブルは、写真のように片側にW1JR巻きのチョークフィルタを付けておくとよく、使用ケーブルは1.5D2Vで十分です。28MHZ200Wでも問題なく動作します。 

【性能は?】

 同じ高さでは、DPよりも遥かに良い結果でした。前回紹介したVDAとはどっこいどっこいの感じです。

他に50MHZ用を作ってみたことがありますが、アンテナを回すと、明らかに聞こえる聞こえないが分かります。ただ、サイドの切れはZLスペシャルが勝る感じがしました。

 

 自宅では写真のように、4m長さの物干しざお(φ30mmのアルミパイプ)の先に1.3mの家具用パイプ(φ27mm)で延長してメインポールを形成し、5mHの高さに上げて使っています。持ち上げは一気に、アンテナごと持ち上げ、ポールの下側を地面に打ち込んだポール支えに差し込んでいます。5分もあれば設置は可能です。

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