12月に行われるARRLの10mコンテストは、コンディションの良い時期なら沢山の局がバンド中に並び、大変、盛況なコンテストではないかと思います。コンテストはあれこれ参加してみましたが、50MHZは凄いレベルの局が多くて歯が立ちません。一方、28MHZは、アンテナの作りようによっては何とかなるかも！と考え、JD1での運用を考えて制作してみました。

　無論、地上高20mのタワーに４エレヤギ、というようなアンテナが良いことは分かっています。ですが、移動運用局ではとても無理。また、正直なところ、垂直バーチカルも結構よく飛びますので、このアンテナがどの程度良いのかは予測は付きませんが、まずは作ってみないと、と思って工作を始めました。

　以下のHPを参考にして、ラジエータ＝0.23λ、リフレクタ＝0.244λです。線はエナメル線です。

https://air.ap.teacup.com/jj1rjr/406.html 

注）VDAは左図のようなエレメント配置をした２エレ

　　垂直ビームアンテナです。上に紹介したURLが終了と

　　なっており、図を載せました。

　工作は簡単ですね！　お金もほとんど掛かりませんでした。同軸ケーブルが一番高くて1000円位。各所にタカチの小型ケースを使いました。

　メインポールは前から使っている剛君6.7mですが、そこに釣り竿で横バーを出し、後は電線を這わせただけです。同軸も、ラジエータに直接ハンダ付けして、下に持ってきました。

（現時点ではバランは入れていませんが、地面に下りる同軸部分への影響を考慮し、後で入れる予定）

　垂直ダイポール成功のカギは、給電ケーブルとラジエータの角度にあります。ラジエータ直近の部分を、電線と垂直に或る程度の長さ、真っ直ぐに引いてくるのがコツ。

（写真では設置時に上下逆に付けてしまい、同軸がややっこしい動きをしています＝設置ミスです）

　ささっと作ったのですが、27.5MHZ付近で合ったので、ラジエータ電線で長さを若干調整して、28.2MHZでSWR=1.1に追い込みました。SWR=1.5の範囲で1MHZくらいありますし、周波数調整は簡単ですので、後は使ってみるだけ！ 

　でも、マイクロバートやコブラに比べ、かなり大掛かりなアンテナですね。山岳移動だと使えない感じがします。DXペディション局は14MHZでもこのアンテナを使ったりしていますが、それって物凄く大きな感じ！！！

※形状を見て気が付いたのですが、このアンテナは水平偏波で設置するスパイダービームと構造が同じで、割と単純なフルサイズ２エレメント八木なんですね。電線がくの字を描いて末端部分が近づきますので、モクソンアンテナに近い動作かと思います。メインポール代わりに６ｍのブームを用意すれば、水平での設置も可能だけど、どうもこの大きさは一人では難！　非力の私では上がりそうもありません。50MHZなら軽量で造れそうです。３エレも可能に思えます。

　MFJのアナライザが重いものだから、ケースを軽量化して使っています。今回のアンテナはR＝45オームでした。X=0だなんて、優秀だなあ！

　12月は東キリバスに行くことに決めたので、JD1は2月ですね。ARRL CWに出てみようかな？

　T32へ持参したのですが、何と横方向のポールを忘れてしまい、組み立てができませんでした。今回、部屋にそのポールが残っていたので、若干改良してみました。

　改良点

１）上エレメントを紐でメインポールに引っ

　　張りながら固定してましたが、回転して

　　しまうので、φ10のプラパイプを使用

　　して固定するようにしました。

２）同様に、下側も水道用エンビパイプを使

　　って固定しました。

　出来は右の写真の通りです。下にMMANAのデータを示しますが、電線長さは11cmずつ短くしないと28MHZに同調しませんでした。どこかのコンテストで使用後、感想書きます。

MMANA　放射エレメント　2.43m

　　　　　反射エレメント　2.57m

実際　　　放射エレメント　2.32m

　　　　　反射エレメント　2.46m

　　　　　（普通のＡＣケーブルを使用）

　先端部の処理方法を少し変えて、ワイヤーが安定するようにしました。輻射エレメントと反射エレメントを同じ寸法にしてダイヤモンドの形を菱形にし、反射器側に小さな角を付けています。

（下側も同じ構造です）

　CQWPXSSBに出ようと思い、エレメントを少し切って28.5MHZ付近に同調させました。輻射エレメントだけだと31MHZ付近に合いますが、反射器を付けると28.5MHZで同調します。ただ、範囲が狭くて28.2~28.7くらいまでしか使えません。ＣＷの際は加減が必要です。